パソコンを使っていると、「電源ユニットが熱い」と感じて不安になる方も多いのではないでしょうか。電源ユニットの温度が高くなると、さまざまなトラブルや故障のリスクが高まります。
この記事では、電源ユニットの熱がこもる原因や、発熱を抑えるための具体的な対策について詳しく解説します。また、電源ユニットの温度を安全に確認する方法や、劣化している症状は?といった見極めポイント、さらに寿命は何年くらい?という疑問にも分かりやすくお答えします。
最後に、電源ユニットの交換が必要になった際のおすすめモデルもご紹介するので、今の電源ユニットに不安を感じている方や、これから交換を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 電源ユニットが熱いと感じる主な原因
- 効果的な熱対策や冷却方法
- 電源ユニットの温度や劣化の確認方法
- 交換すべきおすすめ電源ユニットモデル
電源ユニットが熱いと感じる原因と対策

- 電源ユニットの熱がこもる原因
- 電源ユニットが熱い時の効果的な対策
- 電源ユニットの温度を確認する方法
電源ユニットの熱がこもる原因
電源ユニットの熱がこもる主な理由は、空気の流れ(エアフロー)が悪くなることや、内部にほこりがたまって冷却効率が低下することにあります。特にPCケースの内部が狭い場合や、配線が乱雑で空気の通り道がふさがれていると、電源ユニット周辺に熱がたまりやすくなります。また、PC本体を壁際や棚の奥に設置している場合、排熱がうまく外に出ていかず、結果として熱がこもりやすくなります。
このほか、電源ユニット自体の容量が使用しているパーツに対して不足していると、負荷が高くなり発熱量が増加することも原因です。消費電力の高いCPUやグラフィックボードを搭載しているPCでは、電源ユニットにも十分な余裕が必要となります。もし、長年使い続けている電源ユニットであれば、内部の部品が劣化して発熱しやすくなる点にも注意が必要です。
このような理由から、PCケースの中の配線整理や、定期的な掃除、そして設置場所の見直しを行うことで、電源ユニットの熱こもりを効果的に防ぐことができます。もし冷却ファンが故障している場合は、早めに交換することも検討したほうがよいでしょう。
電源ユニットが熱い時の効果的な対策

電源ユニットが熱いと感じたとき、まず重要なのは安全を最優先に考え、早めに対策を講じることです。熱がこもった状態を放置してしまうと、部品の劣化や突然の故障だけでなく、最悪の場合は火災のリスクも高まります。そこで、電源ユニットの発熱を抑えるために実施できる具体的な対策について、わかりやすく紹介します。
最初に見直したいのが、パソコンケース内のエアフローです。ケース内部の空気の流れが悪いと、電源ユニットに限らずすべてのパーツの温度が上がりやすくなります。まずは配線(ケーブル)を整理し、できるだけ空気がスムーズに流れるように心がけましょう。ケーブルマネジメントを行うことで、風の通り道が確保でき、冷却効果が高まります。また、ケースの前面や背面、上部などに追加ファンを設置することで、吸気・排気を強化し、熱を効率的に排出できます。ほこりがフィルターやファンにたまっていると冷却効率が落ちてしまうため、定期的な掃除も忘れてはいけません。
一方、電源ユニットのスペックが現在のパーツ構成に合っているかも大切なポイントです。高性能なCPUやグラフィックボードを使っていたり、パーツを増設した場合、電源ユニットの容量が不足しがちになります。消費電力に対して余裕のある電源に交換することで、無理な負荷を避け、発熱を減らすことができます。電源を選ぶ際は、消費電力の合計に30%ほどの余裕を持たせた容量を目安にしましょう。さらに、80PLUS認証付きの高効率モデルを選ぶと、同じ出力でも余分な熱が発生しにくくなります。
設置環境にも注意が必要です。パソコン本体や電源ユニットの排気口が壁や棚でふさがれていないか確認し、なるべく通気性の良い場所にPCを設置しましょう。床に直置きしている場合は、数センチ高さのある台に乗せると底面の吸気効率が上がります。夏場など室温が高くなる季節は、エアコンや扇風機で部屋自体を涼しく保つことも効果的です。
また、電源ユニット自体のメンテナンスも重要です。ケースを開けてエアダスターなどでPSU付近を掃除したり、ファンの埃をやさしく取り除くことで冷却効果が向上します。ただし、感電や故障のリスクがあるため、分解掃除は行わず、外側から掃除を行いましょう。
さらに、高負荷作業を連続して行うのを控えることも熱対策に有効です。長時間のゲームや動画編集などの作業が続く場合は、定期的に休憩を挟むことでパーツの発熱を抑えられます。もし、使用年数が長く異常な発熱や異音、焦げ臭いにおいを感じる場合は、早めに電源ユニットの交換を検討してください。
このように、冷却対策・パーツ選定・設置場所の見直し・定期的な掃除やメンテナンスを実施することで、電源ユニットの発熱を抑え、安全かつ快適にパソコンを使用することができます。
電源ユニットの温度を確認する方法
電源ユニットの温度を把握するためには、いくつかの確認方法があります。まず簡単な方法として、手で電源ユニットの外装を触ってみて「熱い」と感じた場合、内部温度が高い可能性があります。ただし、手で触るだけでは正確な温度はわかりませんし、感電ややけどのリスクがあるため注意が必要です。
より安全かつ正確に温度を調べるには、非接触式の赤外線温度計を使う方法があります。これを電源ユニットの外側に向けて測定することで、表面温度の目安を知ることができます。また、一部の高性能なマザーボードには専用ソフトウェアが付属しており、PC内部の温度や電源ユニットの温度を画面上でモニタリングできる機能がある場合もあります。
他にも、パソコン用の温度センサーを電源ユニット付近に設置し、リアルタイムで温度を監視する方法も考えられます。いずれの方法でも、温度が高すぎると感じた場合は、冷却強化やメンテナンスを行うことで安全性を高めることができます。
このように、温度をこまめにチェックすることは、電源ユニットの寿命を延ばすためにも大切なポイントです。
電源ユニットが熱い時の寿命・交換情報

- 電源ユニットが劣化している症状は?
- 電源ユニットの寿命は何年くらい?
- 電源ユニット交換 おすすめモデル
電源ユニットが劣化している症状は?
電源ユニットが劣化してくると、さまざまな不具合が現れやすくなります。最初に気づきやすいのは、パソコンの起動やシャットダウン時の異常です。電源ボタンを押しても一度で起動しない、あるいは何度か押さないと立ち上がらない場合、内部のコンデンサーが劣化して電力供給が不安定になっていることが考えられます。
次に、パソコン使用中に突然電源が落ちたり、勝手に再起動を繰り返したりする現象も注意が必要です。このような症状は、一時的な過負荷や他のパーツの不具合で発生することもありますが、電源ユニットの劣化が進むと発生頻度が増してきます。高負荷時や起動直後にフリーズが多発する場合も、電力が安定して供給できなくなっている兆候の一つです。
また、ファンから異音がしたり、電源ユニット自体から焦げたようなにおいがする場合も危険信号です。バチバチという音や高周波音が聞こえるようであれば、内部の部品がすでに劣化している可能性があります。さらに、USB機器が突然認識されなくなる・電力供給ができなくなる場合も、電源ユニット側のトラブルが疑われます。
目視で確認できる症状としては、電源ユニット内部のコンデンサーが膨らんでいたり、焦げ跡や液漏れが見られる場合があります。これらは明らかな劣化・故障のサインなので、できるだけ早く交換を検討しましょう。もし、電源ユニットの調子が悪いと感じたときは、複数の症状を総合的に判断することが大切です。
電源ユニットの寿命は何年くらい?

電源ユニットの寿命は、一般的に2年から5年程度が目安とされています。もちろん、実際の寿命は使い方や環境によって大きく変わります。例えば、長時間の高負荷作業が続いたり、ホコリが溜まりやすい場所で使っていたりすると、内部のコンデンサーなどの部品が早く劣化し、寿命が短くなってしまいます。
一方で、高品質な電源ユニットには10年保証をうたうモデルも存在し、丁寧に扱えばそれだけ長持ちすることも珍しくありません。ただし、保証期間が長いモデルでも、使用環境が悪ければ寿命は短くなるため、定期的な掃除や温度管理が重要です。
寿命が近づいてくると、パソコンの起動不良や電源の不安定な挙動、異音・異臭など、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。これらの症状を無視して使い続けると、他のパーツまで壊してしまうリスクもあるため、早めの交換が推奨されます。
まとめると、多くの電源ユニットは5年前後を目安に交換を考えると安心です。メーカーの保証期間や使用状況に応じて、早めに交換することでパソコン全体のトラブルを防ぐことができます。
電源ユニット交換 おすすめモデル
パソコンの電源ユニットが寿命を迎えたり、発熱や不安定な動作が続く場合は、信頼性の高いモデルへの交換が重要です。新しい電源ユニットを選ぶ際には、容量に余裕があり、変換効率が高く、長期保証が付いている製品を選ぶことで、安心して長期間パソコンを使い続けることができます。
ここでは2025年5月時点で日本国内でも入手しやすく、多くのユーザーから高評価を得ているおすすめモデルをいくつかご紹介します。
Corsair RM850e 2025 CP-9020296-JP
Corsair RM850e 2025 CP-9020296-JPは、850Wの容量と80 PLUS Gold認証を備えたコストパフォーマンスの高い電源ユニットです。ATX 3.1およびPCIe 5.1にも対応しており、最新のPCパーツとの組み合わせも安心です。コンパクト設計で組み込みやすく、幅広いケースに対応しやすい点も魅力です。静音性を重視するユーザーにもおすすめできます。
SuperFlower LEADEX III GOLD 1300W ATX3.1 SF-1300F14GE
SuperFlower LEADEX III GOLD 1300W ATX3.1 SF-1300F14GEは、80 PLUS Gold認証と1300Wの大容量が魅力のモデルです。ATX 3.1に対応し、高品質な部品と優れた冷却性能を備えているため、ゲーミングPCや拡張性を重視した自作PCにも最適です。信頼性が高く、多くのBTOショップや専門店で取り扱いがあります。
ANTEC SIGNATURE1300 Platinum
ANTEC SIGNATURE1300 Platinumは、1300Wの大容量と80 PLUS Platinum認証による高い変換効率が特徴です。ハイエンドPCやワークステーションにも対応できる高品質な部品が使われており、安定した電力供給が求められる環境で安心して使用できます。Amazonなどの大手通販サイトで流通しており、サポート体制もしっかりしているため、多くの方におすすめできます。
Seasonic PRIME TX-1300 ATX3.0 SSR-1300TR2
Seasonic PRIME TX-1300 ATX3.0 SSR-1300TR2は、80 PLUS Titanium認証を取得している最上位クラスのモデルです。非常に高い変換効率と静音性能を持ち、最新のATX 3.0規格にも対応しています。長期保証が付属しているため、長く安心して使える点が大きなメリットです。特に高負荷な作業や最新のグラフィックカードを使用するユーザーに最適です。
このように、電源ユニットを選ぶ際は単純なワット数だけでなく、変換効率や対応規格、メーカーの信頼性、保証期間なども総合的にチェックしましょう。新しい電源ユニットに交換することで、パソコン全体の安定性が向上し、より快適なPCライフを送ることができます。
電源ユニットが熱いと感じたときの総まとめ
今回の記事の内容をまとめます。
- エアフロー不足が熱こもりの主な原因
- PCケース内部の配線整理で冷却効率が上がる
- ケース内のほこりは定期的に掃除が必要
- 壁際や棚の奥の設置は排熱効率を悪化させる
- 電源容量不足は発熱を増加させる
- 長期間使用した電源は劣化しやすい
- 追加ファンで吸気・排気を強化できる
- 高効率モデルに交換すると発熱を抑えやすい
- 電源の排気口をふさがないよう注意が必要
- 高負荷作業の連続使用は温度上昇につながる
- エアダスターで外部から掃除するのが安全
- 温度測定は赤外線温度計やセンサーが便利
- 異音や焦げ臭い場合は早めの交換を検討する
- 一般的な電源寿命は2年~5年程度とされる
- 交換時は信頼性や保証期間も重視したい