PCケースを自作したり、BTOパソコンを選んだりする際、PCケースの色を白黒どっちにするかという問題は、多くの方が最初に直面する悩みのひとつです。清潔感があり、おしゃれな雰囲気を演出できる白いPCケースには多くのメリットがありますが、同時に白色のPCケース特有の黄ばみや傷の問題など、知っておくべきデメリットも存在します。
一方、定番である黒いPCケースにも揺るぎないメリットがありますが、ホコリなどの汚れが目立ちやすかったり、デザインによってはPCケースがダサいと感じられたりするデメリットも考えられます。この記事では、白と黒それぞれのメリット・デメリットを徹底的に比較し、人気のPCケースおすすめモデルも紹介しながら、結局、白と黒どっちがいいのかという疑問にお答えしていきます。
- 白と黒それぞれのメリット・デメリット
- PCケースの色選びで失敗しないポイント
- おしゃれに見せるためのパーツ選びのコツ
- 人気の白いケースと黒いケースの具体例
PCケースの色は白黒どっち?メリット・デメリットで比較

- 武骨で飽きが来ないPCケース黒色のメリット
- ホコリが目立つ?PCケース黒色のデメリット
- 清潔感と高級感が魅力のPCケース白色のメリット
- 傷や変色が気になるPCケース白色のデメリット
- 白いPCケースの黄ばみは避けられる?
- PCケースのダサい印象と汚れの関係性
武骨で飽きが来ないPCケース黒色のメリット
黒いPCケースが持つ最大のメリットは、その普遍性と飽きのこないデザインにあります。黒はPCの基本色として長年採用されており、どのようなインテリアにも比較的馴染みやすいという特徴を持っています。
また、PCを「道具」として捉えるユーザーにとっては、黒が持つ機械的で武骨な印象が、高性能なパーツが詰め込まれたPCのイメージと合致し、魅力的に映るようです。実際に、多くのBTOメーカーが標準モデルに黒いケースを採用していることからも、その根強い人気がうかがえます。
さらに、パーツ選びの観点からも大きな利点があります。マザーボードやグラフィックボード、電源ユニットといったPC内部のパーツは黒を基調とした製品が圧倒的に多く、色を統一したスタイリッシュな構成を容易に、かつ比較的安価に実現できるのは、黒いケースならではの強みと言えるでしょう。
黒いPCケースのメリットまとめ
- 何年使っても飽きが来ない普遍的なデザイン
- 機械らしく武骨でカッコいいという意見が多い
- 内部パーツも黒で統一しやすく、選択肢が豊富
- 白いパーツに比べて安価な傾向にある
ホコリが目立つ?PCケース黒色のデメリット

多くのメリットがある一方で、黒いPCケースにはいくつかのデメリットも存在します。最も多くのユーザーが挙げるのが、ホコリの目立ちやすさです。
黒い表面に付着した白いホコリはコントラストがはっきりしているため、少し掃除を怠るだけで、すぐに汚れた印象を与えてしまいます。特に、通気性の高いメッシュ構造のケースでは内部にもホコリが侵入しやすいため、こまめなメンテナンスが欠かせません。
また、「無個性」が良い点であると同時に、悪い点にもなり得ます。市場には黒いケースが溢れているため、せっかくこだわって選んだモデルでも、他の安価なモデルと見た目が似てしまい、特別感が薄れてしまうことがあります。これを「没個性的でダサい」と感じるユーザーも少なくありません。
黒いPCケースの注意点
黒いPCケースは、その色の特性上、傷や指紋も比較的目立ちやすいです。特に光沢のあるピアノブラックのような仕上げのケースは、取り扱いに注意しないと細かな擦り傷がつきやすい傾向にあります。
清潔感と高級感が魅力のPCケース白色のメリット

近年、白いPCケースの人気が急速に高まっています。その最大の理由は、清潔感があり、部屋全体を明るく見せるデザイン性にあります。
白は膨張色であるため、同じサイズの黒いケースよりも圧迫感が少なく、特に白を基調としたモダンなインテリアや、ナチュラルテイストの部屋によく馴染みます。デスク周りをおしゃれな空間として演出し、PCをインテリアの一部として楽しみたいユーザーから絶大な支持を得ています。
性能面でのメリットとして、RGBライティングが非常に美しく映える点が挙げられます。ケース内部が白いため、LEDの光が反射・拡散し、PC全体が明るく華やかに輝きます。黒いケースが光を吸収してしまうのとは対照的に、パーツのライティング効果を最大限に引き出したいのであれば、白いケースは最適な選択です。
傷や変色が気になるPCケース白色のデメリット
魅力的な白いPCケースですが、その美しさを維持するためにはいくつかの注意点があります。まず、黒い擦り傷や汚れが非常に目立ちやすいことです。PCの設置や移動の際に壁や家具にぶつけてしまうと、黒い線がくっきりと残ってしまうことがあります。
そして、白いケースを選ぶ上で最も懸念されるのが、経年劣化による「黄ばみ」です。これは表面の汚れとは異なり、素材自体が変質してしまう現象のため、簡単には元に戻せません。
さらに、内部パーツまで白で統一しようとすると、途端に難易度とコストが上がります。白いマザーボードやグラフィックボード、電源ケーブルなどは種類が限られており、黒いパーツに比べて高価な場合がほとんどです。完全な「真っ白PC」を目指すには、予算とパーツ探しの労力が必要になることを覚えておく必要があります。
白いPCケースの注意点
- 経年劣化による黄ばみのリスクがある
- 黒い擦り傷や手垢などの汚れが目立ちやすい
- 内部パーツまで白で統一するにはコストと手間がかかる
- BTOでの選択肢が黒に比べて少ない
白いPCケースの黄ばみは避けられる?

白いPCケースを検討する際に、多くの方が不安に感じるのが「黄ばみ」の問題です。結論から言うと、黄ばみの原因を理解し、適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に軽減することが可能です。
PCケースの黄ばみの主な原因は、プラスチック素材(特にABS樹脂)が紫外線に長時間さらされることで起こる化学変化です。太陽光はもちろん、室内の蛍光灯にも微量の紫外線が含まれているため、PCの設置場所が黄ばみの進行を大きく左右します。
黄ばみを防ぐための具体的な対策
最も効果的な対策は、PCを直射日光が当たらない場所に設置することです。これが黄ばみ防止の基本であり、最も重要なポイントになります。
どうしても窓際に置く必要がある場合は、窓にUVカットフィルムを貼るなどの工夫が有効です。また、喫煙環境はヤニの付着によって黄ばみを加速させるため、PCを設置している部屋での喫煙は避けるのが賢明です。
最近のPCケースは、黄ばみ対策として塗装技術も向上しています。安価なプラスチック製パーツを多用したケースよりも、スチールやアルミニウムといった金属素材に高品質な白色塗装を施したモデルを選ぶことで、黄ばみのリスクは格段に低くなります。
豆知識:なぜABS樹脂は黄ばむのか?
多くのPCケースに使われるABS樹脂には「ブタジエン」というゴム成分が含まれています。この成分は衝撃に強いという長所がある一方で、紫外線のエネルギーを受けると化学構造が変化し、素材自体が黄色く変色してしまう性質を持っています。つまり、黄ばみは表面の汚れではなく、素材内部の劣化なのです。
PCケースのダサい印象と汚れの関係性
「BTOのPCケースはダサい」といった声を耳にすることがありますが、この「ダサさ」の印象は、色そのものよりもデザインやメンテナンスの状態に大きく起因します。
例えば、一昔前のBTOパソコンに多かった、意味のない装飾や大きなメーカーロゴが入った黒いケースは、現在のシンプルなデザインが好まれるトレンドから見ると、野暮ったく感じられるかもしれません。これは黒がダサいのではなく、ケースのデザイン自体の問題です。
一方で、どんなにおしゃれな白いケースでも、手垢で黒ずんでいたり、前述の通り黄ばんでしまっていたりすれば、清潔感が失われ、途端に古びた印象を与えてしまいます。同様に、デザイン性の高い黒いケースも、ホコリまみれではその魅力は半減してしまうでしょう。
結局のところ、PCケースが「おしゃれ」に見えるか「ダサい」と感じるかは、選んだ色の特性を理解し、こまめに清掃を行っているかどうかが大きく影響します。汚れは色の持つ本来の魅力を損なわせる最大の要因なのです。
つまり、色選びも重要ですが、それ以上に自分のライフスタイルに合った、メンテナンスしやすいケースを選ぶこと、そして購入後に愛情を持ってきれいに保つことが、満足のいくPCライフを送るための鍵となります。
PCケースの色は白黒どっち?おしゃれさや入手性で選ぶ

- 部屋に馴染むおしゃれなケースの選び方
- 人気のPCケースおすすめモデルを紹介
- BTOでの色の選択肢と入手性の違い
- 結局、白と黒どっちがいいのか
- PCケースの色は白と黒どっちがいいか総括
部屋に馴染むおしゃれなケースの選び方

PCを単なる作業道具ではなく、インテリアの一部として捉えるなら、部屋全体の雰囲気と調和するケースを選ぶことが「おしゃれ」への近道です。
例えば、白やベージュ、淡い木目調で統一されたナチュラルな雰囲気の部屋であれば、白いPCケースは空間に溶け込み、圧迫感を与えません。逆に、ダークブラウンの家具や打ちっぱなしのコンクリート壁など、重厚感のあるインダストリアルな部屋には、マットブラックのPCケースがよく似合います。
最近のトレンドとして、フロントとサイドの柱をなくした「ピラーレスデザイン」のケースが人気です。内部のパーツをショーケースのように美しく見せることができるため、特にRGBライティングにこだわる場合にその魅力を最大限に発揮します。また、Fractal Designの「North」シリーズのように、フロントに天然木材を取り入れたモデルなど、従来のゲーミングPCのイメージを覆す、洗練されたデザインのケースも増えています。
ケースの色だけでなく、マウスやキーボード、モニターといった周辺機器の色も統一すると、デスク周りに一気にまとまりが生まれます。色のトーンを合わせるだけでも、ぐっと洗練された印象になりますよ。
人気のPCケースおすすめモデルを紹介
ここでは、自作PC市場で特に人気が高く、デザインと機能性を両立したおすすめのPCケースを、白と黒のモデルを交えて紹介します。
メーカー | モデル名 | 色の特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|---|
NZXT | H5 Flow / H9 Flow | シンプルで洗練されたマットな白と黒 | ミニマルなデザインで絶大な人気。初心者でも組み立てやすく、裏配線スペースも広い。 |
Fractal Design | Pop Air / North | 北欧デザインの落ち着いた白と黒。木材を使ったモデルも。 | インテリアに溶け込むデザイン性が魅力。冷却性能と静音性のバランスも良い。 |
Corsair | 4000D Airflow | ソリッドな印象の白と黒 | 高い冷却性能と拡張性で定番の人気モデル。メンテナンスもしやすい。 |
LIAN LI | O11 Dynamic EVO | ガラスを多用したスタイリッシュな白と黒 | ピラーレスデザインの代表格。魅せるPCを組みたいユーザーにおすすめ。 |
これらのモデルは、いずれも白と黒の両方のカラーバリエーションが用意されていることが多いです。デザインの好みやPCの構成に合わせて、最適な一つを見つけてみてください。
BTOでの色の選択肢と入手性の違い
完成品のBTO(受注生産)パソコンを購入する場合、PCケースの色の選択肢は黒の方が圧倒的に多いのが現状です。
多くの大手BTOメーカーでは、コストや部品管理の観点から、標準モデルには汎用性の高いオリジナルの黒いケースを採用する傾向にあります。一部のメーカーや特定のモデルで白いケースが選択できることもありますが、その数は限られています。
例えば、サイコムの「G-Master Velox II」のように白いケースを前面に押し出したモデルもありますが、全体で見ると黒が主流です。もし、特定のデザインの白いケースでBTOパソコンを組みたい場合は、自作PCのようにパーツの選択肢が豊富なBTOメーカー(例:SEVENなど)を選ぶか、あるいは自作に挑戦するのが最も確実な方法と言えるでしょう。
どうしても欲しい白いケースがあるけれど自作は難しい、という場合は、ケースだけを別途購入し、BTOパソコンの中身を丸ごと移植するという方法もあります。ただし、パーツの互換性や作業の手間を考えると、ある程度の知識が必要になります。
結局、白と黒どっちがいいのか

ここまで見てきたメリット・デメリットを踏まえ、結局PCケースは白と黒のどちらを選ぶべきか、それぞれの特徴を一覧表にまとめました。ご自身の価値観やPCを置く環境、こだわりたいポイントと照らし合わせて、最終的な判断の参考にしてください。
比較項目 | 🤍 白いPCケース | 🖤 黒いPCケース |
---|---|---|
デザイン性・見た目 | 清潔感があり、明るい。インテリアに馴染みやすい。 | 重厚感があり、シャープ。飽きが来ない定番カラー。 |
メンテナンス性 | ホコリは目立たないが、傷や手垢、黄ばみが気になる。 | 傷や汚れは目立たないが、ホコリが非常に目立つ。 |
パーツの統一感 | 内部パーツまで白で揃えるのは難易度とコストが高い。 | ほとんどのパーツに黒モデルがあり、統一しやすい。 |
RGBライティング | 光が反射・拡散し、全体が明るく華やかに見える。 | 光を吸収し、パーツ個々のライティングが際立つ。 |
入手性・価格 | BTOでの選択肢が少なく、パーツもやや高価な傾向。 | 選択肢が豊富で、標準的かつ安価なモデルが多い。 |
このように、どちらの色にも一長一短があります。「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分のスタイルに合っているか」という視点で選ぶことが、後悔しないための最も重要なポイントです。
PCケースの色は白と黒どっちがいいか総括
今回の記事の内容をまとめます。
- 黒いPCケースは武骨で飽きのこない普遍的なデザインが魅力
- 黒はパーツの選択肢が豊富で色を統一しやすい
- 黒いケースの最大のデメリットはホコリが目立つこと
- 白いPCケースは清潔感と高級感があり部屋が明るく見える
- 白はRGBライティングの光を反射し美しく映える
- 白いケースは経年劣化による黄ばみに注意が必要
- 黄ばみの主な原因はプラスチック素材と紫外線
- 黄ばみ対策で最も重要なのは直射日光を避けること
- おしゃれに見えるかどうかは部屋との調和が鍵
- PCだけでなく周辺機器の色も揃えると統一感が出る
- BTOパソコンでは黒いケースが主流で選択肢が多い
- 内部パーツまで白で揃えるのはコストと手間がかかる
- メンテナンスの手間を少しでも減らしたいなら黒が有利
- 見た目の美しさや個性を重視するなら白が魅力的
- 最終的には自分の好みとPCを置く環境で判断するのが一番