こんにちは。PCギアナビ、管理人の「ギアナビ」です。
自作PCのパーツ選びやBTOパソコンの構成カスタマイズにおいて、メモリにヒートシンクが必要かどうかで迷う方は非常に多いです。特に近年主流になりつつあるDDR5メモリの発熱問題や、見た目を重視した後付けパーツの効果、冷却性能と物理的な干渉のリスクなど、考慮すべき点は多岐にわたります。
そこで今回は、ヒートシンクなしの標準モデルでも問題ないのか、それともゲーミング用途では必須なのか、メモリのヒートシンクに関する必要性を掘り下げ、あなたの環境に合った正しい選び方を解説します。
- メモリにヒートシンクが必要な具体的なケースと不要なケース
- ヒートシンク付きモデルを選ぶことによる冷却性能と寿命へのメリット
- 大型CPUクーラーとの干渉を防ぐためのサイズ確認と対策
- デザイン性を高める白いモデルやRGB対応ヒートシンクの活用法
一般的なメモリにヒートシンクの必要性はある?

PCパーツの中でも、CPUやGPUに比べるとメモリの発熱は軽視されがちです。しかし、実際のところヒートシンクは本当に必要な装備なのでしょうか。まずは基本的な役割と、規格や使用環境による必要性の違いについて解説します。
一般用途でのメモリの必要性を解説
結論から申し上げますと、インターネット閲覧やオフィスソフトの使用、動画視聴といった一般的な用途であれば、メモリにヒートシンクは基本的に不要です。メモリチップ自体は、極端な高温にならなければ性能が低下することは少なく、標準的なPCケース内で適切なエアフロー(空気の流れ)が確保されていれば、ヒートシンクなしの「裸のメモリ」でも十分安定して動作します。
私自身も、過去に事務作業用のPCや、それほど負荷のかからないサブ機を組んだ際には、コストを抑えるためにヒートシンクなしのスタンダードなメモリを選んできました。それでも熱暴走によるフリーズや故障といったトラブルには遭遇していません。
メーカー製PCやエントリークラスのBTOパソコンに搭載されているメモリの多くがヒートシンクなしであることからも、定格運用(オーバークロックをしない通常使用)における信頼性は十分に確保されていると言えます。
ヒートシンク付きモデルを選ぶメリット
では、なぜヒートシンク付きのモデルが数多く販売されているのでしょうか。それには明確なメリットがあるからです。
以下に主なメリットをまとめました。
| 放熱効果 | 熱を効率的に拡散し、高負荷時の温度上昇を抑えることでシステム全体の安定性を高めます。 |
|---|---|
| 物理的保護 | 基板上のチップがむき出しにならないため、取り付け時の静電気や物理的な衝撃からメモリを守ります。 |
| デザイン性 | 無骨な緑色の基板を隠し、金属的な質感やカラーリングでPC内部の見た目を引き締めます。 |
特に自作PCにおいては、パーツの故障リスクを少しでも減らしたいという心理や、ケース内部の美観を重視する傾向があるため、数千円の差額であれば安心感と見た目を選んでヒートシンク付きを購入するという方が多いのも事実です。
DDR4やDDR5のヒートシンク事情

メモリの規格によっても、ヒートシンクの重要度は変わってきます。現在主流の規格であるDDR4と、最新規格のDDR5では発熱量に差があるからです。
DDR4メモリの場合、定格電圧は1.2Vと比較的低く、発熱も穏やかです。そのため、相当な高負荷をかけ続けない限り、熱が原因で問題が起きることは稀です。一方で、最新のDDR5メモリは事情が異なります。
DDR5メモリは、電源管理IC(PMIC)をメモリモジュール上に搭載しており、データ転送速度も飛躍的に向上しているため、DDR4に比べて発熱しやすい傾向にあります。
DDR5の高性能モデルを使用する場合、特に夏場の室温が高い環境や、エアフローが悪いケース内では、メモリ温度が上昇しやすくなります。そのため、DDR5メモリを選ぶ際は、DDR4の時以上にヒートシンク付きモデルを積極的に検討することをおすすめします。
メモリ冷却による効果を検証する
「ヒートシンクさえ付けていれば冷える」と思い込むのは少し危険です。ヒートシンクはあくまで「熱を吸い上げて空気中に放出する」ためのパーツであり、その熱を運び去る「風」が必要です。
ケースファンによる風がメモリ周りに当たっている状態であれば、ヒートシンクは高い冷却効果を発揮し、メモリ温度を数度〜十数度下げることができます。これにより、長時間ゲームをプレイしたり、動画編集の書き出しを行ったりしても、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。
注意点として、ケース内のエアフローが悪く風が全く当たらない環境では、ヒートシンクが逆に熱を溜め込んでしまい、温度が下がりにくくなるケースもあります。ヒートシンクの効果を最大限に引き出すためには、PCケース全体の冷却設計もセットで考える必要があります。
用途別メモリヒートシンクの必要性と選び方

ここからは、実際にヒートシンク付きメモリや後付けパーツを選ぶ際に、失敗しないための具体的なポイントを解説していきます。自分のPC環境や好みに合わせて、最適なものを選んでいきましょう。
失敗しないヒートシンクのおすすめ選定法
ヒートシンク付きメモリを選ぶ際、スペック表の数値だけでなく、物理的な形状や素材にも注目する必要があります。私が普段チェックしているおすすめの選定ポイントは以下の3点です。
- 素材:アルミ製が一般的ですが、冷却性能を重視するなら表面積が広いフィン形状のものを選びましょう。
- 高さ(全高):これが最も重要です。詳しくは後述しますが、他のパーツとの干渉を避けるためです。
- デザイン:PCケースの内部が見える構造なら、マザーボードや他のパーツと色味を合わせると統一感が出ます。
性能面では、有名メーカー(Crucial、Kingston、G.Skill、Corsairなど)の製品であれば、適切なヒートシンクが装着されているため、そこまで神経質になる必要はありません。自分のPCケースに入れた時の「見た目」と「サイズ感」を優先して選ぶのが、満足度の高い自作PCを組むコツです。
CPUクーラーとの物理的な干渉に注意

ヒートシンク付きメモリを選ぶ上で最大の落とし穴が、CPUクーラーとの物理的な干渉です。特に冷却性能を重視した大型の空冷CPUクーラーを使用する場合、CPUソケットに近いメモリスロットの上空までクーラーのヒートシンクやファンがせり出してくることがあります。
背の高いメモリ(ハイプロファイルメモリ)を選んでしまうと、CPUクーラーとぶつかって取り付けられないという事態になりかねません。
大型空冷クーラーを使用する場合は、メモリの高さを「35mm以下」などのロープロファイル(低背)準拠のものにするか、購入予定のCPUクーラーの仕様書にある「メモリクリアランス(許容高さ)」を必ず確認してください。
簡易水冷クーラーを使用する場合は、CPU周りの空間が広いため、背の高い派手なヒートシンク付きメモリでも干渉することはほとんどありません。
既存のメモリにヒートシンクを後付けする
「すでに持っている普通のメモリを冷やしたい」「見た目を良くしたい」という場合、ヒートシンクを後付けするという方法があります。Amazonなどの通販サイトでは、数百円〜数千円程度でメモリ用の後付けヒートシンクキットが販売されています。
取り付け手順は一般的に以下の通りです。
- 付属の熱伝導シート(サーマルパッド)をメモリチップの上に貼る。
- ヒートシンクでメモリを両側から挟み込む。
- ネジやクリップで固定する。
手軽に見た目をアップグレードできるのが魅力ですが、元々のメーカー保証が受けられなくなる可能性がある点や、取り付け精度によってはうまく冷えない可能性がある点には注意が必要です。あくまで自己責任でのカスタマイズ楽しみ方の一つとして捉えましょう。
おすすめの後付けヒートシンクと型番
「どれを買えばいいか分からない」という方のために、自作PCユーザーの間で定番となっている「光るタイプ」と「光らない安価なタイプ」をそれぞれピックアップしました。
- アイネックス(Ainex) HM-19B
【光らない・安価・定番】
「とりあえず冷やしたい」「シンプルで安いものが良い」という方に最適な、国内周辺機器メーカーの超定番モデルです。シンプルなアルミニウム製で、数百円程度で購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力。高さも抑えられているため、大型CPUクーラーとの干渉リスクが低いのも大きなメリットです。 - JONSBO NC-3
【光る・デザイン重視】
デザイン性と質感に定評があるJONSBO製の人気モデルです。アルミマグネシウム合金を採用しており、見た目の高級感と放熱性を両立しています。アドレサブルRGB(ARGB)に対応しており、マザーボードと同期して美しく光らせることができるため、PC内部のドレスアップに最適です。
選ぶ際のポイント:
冷却性能と干渉回避を優先するなら「アイネックス」、見た目の華やかさと統一感を優先するなら「JONSBO」のようなRGBタイプを選ぶのがおすすめです。購入前には必ず高さを確認しましょう。
白いヒートシンクでPCに統一感を出す

最近の自作PCトレンドとして非常に人気が高いのが「ホワイト構成」です。PCケース、ファン、グラフィックボードを白で統一する場合、メモリだけが黒や緑だとどうしても浮いてしまいます。
そんな時に活躍するのが、白いヒートシンクを搭載したメモリです。各メーカーからホワイトモデルが多数リリースされており、清潔感のある洗練されたPCを組むことができます。白いパーツは光を反射しやすいため、RGBライティングとも相性が抜群です。
白で統一したい場合は、ヒートシンクだけでなく、上部のプラスチックパーツまで白くなっているかを確認すると、より完成度の高い「純白PC」に仕上がります。
既存のメモリを「白」に変えるおすすめアイテム
「手持ちのメモリは黒いけれど、わざわざ買い替えるのはもったいない…」という方には、後付けできる白いヒートシンクが救世主になります。特に私が注目しているのが、コスパと見た目の良さで定評のあるEZDIY-FABのモデルです。
おすすめ:EZDIY-FAB メモリヒートシンク
この製品の素晴らしい点は、単にヒートシンクが白いだけでなく、アドレサブルRGB(ARGB)に対応していることです。ホワイトPCに合わせるなら、LEDの発光色を「白」や「淡いブルー」に設定することで、パーツ全体が発光しているような幻想的な雰囲気を演出できます。
ご自身の普通のメモリに被せるだけで、一気に最新のゲーミングPCのような見た目に変身させることができるため、「低予算でホワイト化したい」という方には最強の選択肢と言えるでしょう。
RGB対応ヒートシンクでPCを光らせる
ゲーミングPCと言えば、やはり鮮やかなライティングを楽しみたいという方も多いでしょう。RGB LEDを搭載したヒートシンク付きメモリを選べば、PC内部を華やかに演出できます。
RGBメモリを選ぶ際のポイントは、マザーボードメーカーの同期機能(ASUS Aura Sync, MSI Mystic Light, ASRock Polychrome, GIGABYTE RGB Fusionなど)に対応しているかどうかです。これに対応していれば、専用ソフトを使ってメモリの発光パターンや色を、ケースファンやマザーボードと一括で制御(同期)させることができます。
レインボーに光らせるだけでなく、単色で静かに光らせたり、CPU温度に応じて色を変えたりといった実用的な使い方も可能です。光るメモリは視覚的な満足感が非常に高いので、サイドパネルがガラス製のケースを使うならぜひ検討してみてください。
結論:メモリにヒートシンクの必要性は?
ここまでメモリのヒートシンクについて詳しく解説してきました。最後に改めて必要性についてまとめます。
ヒートシンクが必要・おすすめな人
・DDR5の高性能メモリを使用する人
・オーバークロックを行ったり、動画編集などで長時間高負荷をかける人
・PC内部の見た目(デザインや統一感)を重視する人
・将来的な故障リスクを少しでも減らしたい慎重派の人
ヒートシンクが不要な人
・Web閲覧や事務作業がメインの一般的な用途の人
・DDR4の定格メモリを使用する人
・中身が見えないPCケースを使っていて、コストを最優先したい人
メモリのヒートシンクは、必ずしも全てのPCに必須のパーツではありませんが、システムの安定性向上やパーツ保護、そして何より「自分だけのPCを作る楽しみ」という点で大きな価値があります。ご自身の用途と予算に合わせて、最適なメモリを選んでみてください。
※本記事で紹介した内容は一般的な目安であり、全ての環境での動作を保証するものではありません。パーツの選定や取り付けは、各製品の公式サイトやマニュアルをご確認の上、ご自身の責任において行ってください。

