こんにちは。PCギアナビ 管理人の「ギアナビ」です。
iPadの画面をPCに映したくてキャプチャーボードを買ったのに、なぜかOBSで認識しない、画面が真っ暗なままで何も映らない、と困っていませんか?これらの問題の多くは、iPad特有の仕様であるHDCP(著作権保護)や、接続に使うアダプタが原因であることがほとんどです。
この記事では、iPadがキャプチャーボードで映らない時に確認すべき原因の切り分けと、具体的な対処法を分かりやすく解説していきます。
- iPadのキャプチャが難しい根本的な理由
- 「真っ暗」「音が出ない」を解決するOBS設定
- トラブルの最大の原因「アダプタ」と「HDCP」とは
- キャプチャーボードを使わない代替手段
iPadがキャプチャーボードで映らない原因と初期対応
まずは複雑な設定を疑う前に、基本的な接続や設定を見直すところから始めましょう。意外と単純な見落としが原因であることも多いです。
OBSで認識しない時の確認点
PC側でOBSを起動してもiPadの画面が認識されない場合、まずはPCとキャプチャーボードの接続を確認します。
一番多い見落としが、OBS側のソース設定です。
- OBSの「ソース」で「映像キャプチャデバイス」を追加します。
- プロパティ画面が開くので、「デバイス」のドロップダウンリストを確認してください。
- ここでPCの内蔵ウェブカメラや、別のUSB機器が選択されていると映りません。必ず、使用しているキャプチャーボードの製品名(例: “AVerMedia GC551G2” や “USB Video” など)を正しく選択してください。
それでも認識しない場合は、一度キャプチャーボードをPCから抜き、OBSを再起動してから再度接続し直してみましょう。
画面が真っ暗(No Signal)の原因

OBSのデバイスは認識しているのに、「No Signal(信号なし)」や「真っ暗」と表示される場合は、iPadからPCへ正しく映像信号が届いていません。
以下の3点を順番に確認してください。
- ケーブルの再接続: iPadとアダプタ、アダプタとキャプチャーボードを繋ぐHDMIケーブル、キャプチャーボードとPCを繋ぐUSBケーブル。これら全てを一度抜き、「カチッ」と音がするまで奥までしっかり差し込み直してください。接触不良は本当によくある原因です。
- 起動順序の変更: 機器同士の認証(ハンドシェイク)がうまくいっていない可能性があります。一度全ての電源を切り、ケーブルを全部接続した状態で、[1. iPadのロック解除] → [2. PCの起動] → [3. OBSの起動] の順で試してみてください。
- アダプタの給電: 変換アダプタに給電ポート(LightningやUSB-C)がある場合、そこに必ず電源ケーブルを接続し、iPad本体を充電しながら試してください。電力が不足して映像出力が不安定になっているケースがあります。
Apple純正アダプタは必須か

結論から言うと、iPadのキャプチャを安定して行いたいなら、Apple純正アダプタは必須です。
iPadのポートがLightningなら「Lightning – Digital AVアダプタ」、USB-Cなら「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」ですね。
市場には安価なサードパーティ製(非純正)のアダプタもたくさんありますが、これが「映らない」最大の原因になっていることが非常に多いです。
非純正アダプタのリスク
安価な非純正アダプタの多くは、Appleが定める著作権保護技術(HDCP)の認証をパスしていないか、実装が不完全です。
iPad側がそれを「信頼できないデバイス」と判断し、映像信号の出力を自動的に停止してしまいます。ユーザーからは「キャプチャーボードが壊れている」ように見えますが、実はアダプタが原因だった、というわけです。
トラブルシューティングの大前提として、まずはApple純正品のアダプタを用意することを強く推奨します。
ホーム画面は映るがアプリで消える

「iPadのホーム画面や設定画面はOBSに映るのに、Prime VideoやNetflix、特定のゲームアプリを起動した瞬間だけ画面が真っ暗になる」
この症状が出た場合、それは故障ではなく、著作権保護技術(HDCP)が正常に作動している証拠です。
iPad(iOS)は、ユーザーがOS側でHDCPをオフにする設定がありません。そのため、動画配信アプリなどが「これは保護されたコンテンツです」という信号(HDCPフラグ)を送ると、iPadは録画を防ぐために自動で映像出力を停止します。これが「アプリ起動で真っ暗」の正体です。
HDCPへの対処法
この仕様によるブロックへの対処法として、AVerMedia製の一部のキャプチャーボードでは、専用ソフト(RECentral)で「HDCP検出機能」をオフにする設定があります(ただし、保護されたコンテンツ自体の録画はできません)。
また、市場にはHDCP信号を除去するとされるHDMIスプリッター(分配器)も存在しますが、これを使用することには法的なリスクが伴います。
【法的注意】著作権について
HDCPを意図的に回避する装置を使用し、著作権で保護された映画、アニメ、有料配信などを録画・配布する行為は、著作権法に抵触する違法行為となる可能性が極めて高いです。
このような機器の使用は、技術的保護手段の回避にあたり、私的利用の範囲内であっても法的にグレーな領域です。当サイトはそのような行為を推奨しません。本情報の利用は、ご自身の法的責任において判断してください。
USB 3.0接続と起動順序の罠

意外な落とし穴が、PC側のUSBポートです。
特に1080p/60fpsなどの高画質キャプチャーボードは、広い帯域幅(データの通り道)を必要とするため、USB 3.0以上(ポートの内側が青色)での接続が必須です。
もしUSB 2.0(ポートの内側が黒色)に接続していると、電力不足や帯域幅不足で「認識しない」「映ってもカクカクする」といった症状が発生します。必ずPCの青いUSB 3.0ポートに接続してください。
また、PC内部では複数のUSBポートが1つのチップを共有していることがあります。もしVR機器や高解像度ウェブカメラなど、他の高負荷なUSB機器を同時に使っている場合は、キャプチャーボードをそれらとは物理的に離れた(PCの背面ポートなど)別のUSBポートに差し替えてみてください。
iPadがキャプチャーボードで映らない時のOBS設定
映像は映ったものの、「音が出ない」「画面サイズがおかしい」といった問題は、PC側のOBS(キャプチャーソフト)の設定で解決できることがほとんどです。
iPadの音が出ない時のOBS設定

まず前提として、iPadをHDMIで接続すると、iPad本体のスピーカーからは音が出なくなります。音声は映像と一緒にHDMIケーブル経由でPCに送られているため、これは正常な動作です。
PC側で音が出ない(録画データにも音が入らない)場合、OBSの音声設定が間違っています。
対処法1:カスタム音声デバイスを有効にする
OBSの「ソース」で、設定したい「映像キャプチャデバイス」をダブルクリックしてプロパティを開きます。
- ウィンドウを下にスクロールし、「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れます。
- すぐ下に表示される「音声デバイス」のドロップダウンメニューから、再度、使用しているキャプチャーボードの名称(例: “HDMI (AVerMedia GC551G2)”)を選択します。
- 「OK」を押します。
これで、OBSが映像だけでなく音声もキャプチャーボードから取り込むようになり、録画や配信に音が入るようになります。
対処法2:音声モニタリングを設定する(自分が聞くため)
上記の設定だけでは「配信には音は乗っているが、自分(配信者)のPCスピーカーやヘッドホンからは音が聞こえない」状態です。
OBSのメイン画面にある「音声ミキサー」ドックを見てください。
- 「映像キャプチャデバイス」のメーター横にある歯車アイコンをクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を選びます。
- 該当デバイスの「音声モニタリング」が「モニターオフ」になっています。
- これを「モニターのみ(出力はミュート)」または「モニターと出力」に変更します。
これでPCからiPadの音が聞こえるようになるはずです。音が二重に聞こえる場合は、デスクトップ音声をミュートにするなど調整してください。
映像がカクカクする、遅延する
映像は映るものの、カクカクしたり、操作に対して映像の遅延がひどい場合、以下の原因が考えられます。
- USB 2.0ポートに接続している: 前述の通り、帯域幅が足りていません。USB 3.0(青いポート)に接続し直してください。
- PCのスペック不足: 映像の処理(エンコード)がPCの性能(特にCPU)に追いついていない可能性があります。OBSの「設定」→「出力」で、エンコーダを「x264 (CPU)」から「NVENC (GPU)」など(グラフィックボード搭載PCの場合)に変更したり、「出力設定」のビットレートやCPU使用率のプリセットを下げてみてください。
- USB帯域幅の競合: 他の高負荷なUSB機器(VR機器など)と使用するポートを分けてみてください。
画面の黒枠を消すアスペクト比
iPadの画面(アスペクト比が4:3やそれに近い比率)を、一般的な配信画面(16:9、例: 1920×1080)に映すと、左右に黒枠(黒帯)ができます。これはアスペクト比の違いによるものなので、故障ではありません。
OBSでこの黒枠を調整する方法はいくつかあります。
- 黒枠を残す(アスペクト比維持): OBSのプレビュー画面でソース(iPadの映像)を右クリック → 「変換」 → 「画面に合わせる (Ctrl+F)」。映像は歪みませんが、黒枠は残ります。
- 画面いっぱいに引き伸ばす(アスペクト比無視): 右クリック → 「変換」 → 「画面に合わせる (ストレッチ) (Ctrl+S)」。映像は横に引き伸ばされて歪みますが、黒枠は消えます。
- 黒枠を切り取る(クロップ): Altキー (MacならOptionキー) を押しながら、ソースの端にある赤い枠線をドラッグすると、黒枠部分だけを切り取って非表示にできます。これが一番よく使われる方法かもしれません。
M4など最新iPadの注意点
2024年に登場したM4チップ搭載のiPad Proなど、ごく最近のモデルにおいて、特有の音声トラブルが報告されることがあります。
最新モデルの互換性問題(推定)
「音声が全く入らない」「映像に対して音がすごく遅れる」「ノイズが乗る」といった症状が、特にUSBハブなどを介して接続した際に発生するケースがあるようです。
これは新しいiPadOSやハードウェアと、既存のキャプチャーボードやハブのファームウェアとの互換性問題の可能性があります。
対処法としては、まずiPadOSとキャプチャーボードのファームウェアを両方とも最新版にアップデートすること。そして、間にハブを挟んでいる場合はそれを取り外し、Apple純正アダプタから直接キャプチャーボードに接続して問題が改善するか試してみてください。
キャプチャーボードなしで映す代替案

どうしてもキャプチャーボードでうまくいかない場合や、機材トラブルが解決しない場合、キャプチャーボードを使わずにPCに映す方法もあります。
- 無線(ワイヤレス)ミラーリング: iPadの「AirPlay」機能を使い、Wi-Fi経由でPCに画面を飛ばします。PC側には「LetsView」や「5KPlayer」などのAirPlay受信ソフトが必要です。OBSではその受信ソフトのウィンドウを「ウィンドウキャプチャ」します。
欠点: ケーブルが不要で手軽ですが、Wi-Fi環境に依存するため画質が落ちやすく、遅延も大きいです。アクションゲームやリズムゲームの配信には向きません。 - 有線(Mac限定): Macユーザーの場合、キャプチャーボードは不要です。iPadとMacを純正のUSBケーブルで接続し、Macの「QuickTime Player」を起動。「ファイル」→「新規ムービー収録」を選び、録画ボタン横のVマークからiPadを選択するだけで、ほぼ遅延なく高品質に映すことができます。
- 有線(PC・ミラーリングソフト): 一部のミラーリングソフトは、USBケーブル経由での有線ミラーリングにも対応しています。この場合もキャプチャーボードは不要ですが、専用ソフトのインストールが必要です。
iPadがキャプチャーボードで映らない問題の総括
ここまで見てきたように、「iPadがキャプチャーボードで映らない」問題は、原因が一つではなく、複数の要因が絡み合っています。
もしトラブルに直面したら、以下の優先順位で問題を切り分けてみてください。
iPadキャプチャ トラブル解決の優先順位
- 【最優先】アダプタの確認: Apple純正の「Digital AVアダプタ」を使っていますか? 全てのトラブルの最大の原因は、非純正アダプタのHDCP認証問題です。
- 【HDCPの切り分け】: ホーム画面は映るのに、動画アプリやゲームで真っ暗になりますか? その場合はHDCPが正常に作動している証拠です。仕様(故障ではない)と割り切るか、法的なリスクを理解した上で対策を検討する必要があります。
- 【物理接続の確認】: ケーブルの差し直し、PCのUSB 3.0(青い)ポートの使用、アダプタへの給電を試しましたか?
- 【OBS設定の確認】: 「音が出ない」なら「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れましたか? 「音が聞こえない」なら「音声モニタリング」を設定しましたか?
これらのステップを一つずつ冷静に確認していけば、きっと解決の糸口が見つかるはずです。ぜひ試してみてください。

