パソコンの電源ユニットファンが回らない問題は、放置すると過熱による故障の原因になります。特に、ファンが回らない原因について記事内で詳細に説明しています。
一部の電源ユニットには、温度が一定以上にならないとファンが動かない設計のものもあります。この場合、異常ではなく正常な動作の可能性もあるため、確認が必要です。
さらに、「電源ユニットの寿命は何年くらい?」という疑問や、交換時には「電源ユニットのケーブルは使い回しできる?」という疑問についても記事で説明しています。
本記事では、原因の特定方法から対策、交換時の注意点やおすすめの電源ユニットまで詳しく解説します。パソコンの安定動作を守るための参考にしてください。
- 電源ユニットのファンが回らない原因とそのチェックポイント
- ファンが回らない時のBIOS設定や動作モードの確認方法
- 電源ユニットの寿命や壊れる前兆の見分け方
- 電源ユニットの交換時に必要な注意点とおすすめ製品
電源ユニットのファンが回らない原因と対策

- ファンが回らない原因のチェックポイント
- BIOS設定は関係あるの?
- ファンが一瞬動いて止まる原因とは
- 電源ユニットのファンはいつ回るのか
ファンが回らない原因のチェックポイント
電源ユニットのファンが回らない原因は複数考えられます。まずは基本的なチェックポイントを押さえることで、原因特定がスムーズに行えます。ここでは、代表的な原因と確認すべきポイントについて解説します。
1. 電源の接続不良
最も基本的な確認ポイントは、電源ケーブルの接続です。電源ユニットが正しくコンセントに差し込まれているか、スイッチがオンになっているかを確認しましょう。また、電源タップや延長ケーブルを使用している場合、これらが正常に動作しているかもチェックが必要です。別の機器を接続して動作するか確認することで、電源の問題かどうかを判断できます。
2. 内部ケーブルの緩みや断線
電源ユニットからマザーボードやファンへ接続されているケーブルが緩んでいたり、断線している場合、ファンが回らなくなることがあります。特に長期間メンテナンスを行っていない場合や、パソコンの移動を頻繁に行う場合は、ケーブルが外れていたり、傷んでいることがあるため、しっかりと接続されているか確認してください。
3. ほこりの蓄積による回転障害
電源ユニット内部やファンの羽にほこりが溜まっていると、回転が妨げられます。ほこりがモーター部分に詰まることでファンの動きが悪くなり、最終的には回らなくなるケースもあります。エアダスターを使って優しく清掃し、ほこりの除去を行いましょう。特に冷却効率が重要な高性能PCでは、この問題が原因で熱暴走が発生する場合もあります。
4. 温度制御の影響
一部の電源ユニットには「ハイブリッドモード」や「エコモード」が搭載されており、内部温度が低い場合にはファンが停止する仕様になっています。この場合、一定の温度を超えると自動的に回転が始まります。したがって、ファンが回っていない場合でも正常動作の可能性があるため、温度モニタリングソフトを使って内部温度を確認すると良いでしょう。
5. ファンの故障
接続や清掃を行ってもファンが回らない場合、ファン自体が故障している可能性があります。特に長年使用している電源ユニットでは、ファンのモーターが経年劣化で動かなくなることがあります。この場合は、ファンの交換が必要です。また、交換時には互換性のあるモデルを選ぶように注意してください。
ファンが回らない原因を特定するためには、以上のチェックポイントを順番に確認していくことが大切です。単純な接続ミスから複雑な内部故障まで、幅広く確認することで原因を絞り込むことができます。
BIOS設定は関係あるの?

標準的な電源ユニット (ATX PSU) のファンは、電源ユニット内部の温度や負荷に応じて自動的に制御されます。PSU内部に温度センサーがあり、発熱が増えると自動で回転数が上がります。これらの動作はPSUの内部回路によって管理されているため、BIOSの設定には直接依存しません。
ただし、高性能なPSUの中には、マザーボードとUSB接続や専用の管理ソフトウェアを介して制御できるものがあります。これらの場合、BIOSの「Fan Control」や「Smart Fan」設定で情報を取得したり、管理ソフトを通じて回転数を調整できます。
まずは自分が使っている電源ユニットの仕様を確認して、仮に高性能なPSUに該当した場合は
BIOSの設定を見直してみると状況が改善する場合があります。
ファンが一瞬動いて止まる原因とは
PCの電源を入れた瞬間にファンが一瞬だけ動いてすぐに止まってしまう場合、複数の原因が考えられます。この現象は、特定の部品の不具合や接続の問題、電源ユニットの動作モードに起因することが多いです。ここでは、代表的な原因について詳しく解説します。
1. 電源供給の不足
電源ユニットが正しく電力を供給できていない場合、ファンが一瞬だけ回ってすぐに停止することがあります。特に、古い電源ユニットや容量が小さいモデルでは、接続されている機器に十分な電力を供給できないケースが考えられます。また、電源ケーブルの接触不良や断線も原因の一つです。別の電源ケーブルで試してみることで問題の切り分けが可能です。
2. マザーボードの不具合
ファンの動作はマザーボードによって制御されているため、マザーボード自体に問題がある場合もファンが一瞬動いて止まります。例えば、コンデンサーの劣化や内部回路のショートなどが発生すると、通電はするものの動作が安定しません。また、BIOSの設定が正しくない場合も同様の現象が起こることがあります。
3. ハイブリッドモードの影響
一部の高性能な電源ユニットには「ハイブリッドモード」や「エコモード」が搭載されており、内部温度が一定以下の場合はファンが動かない設計になっています。電源投入時に一瞬だけ回転するのは動作確認のためであり、その後は温度が上がらない限り停止する仕様です。この場合、正常な動作なので心配する必要はありませんが、設定の確認は行っておくべきです。
4. 静電気の蓄積
PC内部に静電気が蓄積していると、電源投入時に一瞬だけ通電し、その後すぐに電流が遮断されることがあります。この場合、PCの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜いてから電源ボタンを10秒ほど長押しすることで静電気を放電できます。これで改善する場合は、静電気が原因と判断できます。
5. ファン自体の故障
ファンの内部モーターが劣化している場合も、一瞬動いてすぐ止まるという現象が起きます。モーター内部の接触不良や軸受けの摩耗によって動作が不安定になることがあります。長期間使用している場合や、異音がしていた場合はファン自体の交換を検討しましょう。
ファンが一瞬だけ動いて停止する原因には多岐にわたる要素が考えられます。接続確認や放電処理、モードの確認を順に行うことで、原因の特定がスムーズになります。
電源ユニットのファンはいつ回るのか

電源ユニットのファンがいつ回るのかは、製品の設計や使用状況に大きく依存します。ファンが常時回転するものもあれば、特定の条件下でのみ動作するものも存在します。ここでは、電源ユニットのファンが回るタイミングについて詳しく解説します。
1. 電源投入時の動作確認
多くの電源ユニットは、PCの電源を入れた瞬間にファンが回転します。これは正常動作であり、内部回路の通電確認のために一時的に動作しています。この回転が一瞬で終わる場合もありますが、しばらく動作を続けるものもあります。特に温度管理が重要なゲーミングPCやワークステーションでは、数秒間の動作確認後に停止する設計が一般的です。
2. 内部温度が一定以上になったとき
一部の電源ユニットには「ハイブリッドモード」や「エコモード」と呼ばれる機能が搭載されています。このモードでは、電源ユニット内部の温度が一定のレベルを超えるまでファンが回りません。例えば、内部温度が40℃を超えるとファンが自動的に動作を始め、温度が下がると再び停止する仕組みです。これは無駄な電力消費とファンの劣化を防ぐための設計です。
3. 高負荷作業時
PCに高い負荷がかかる作業、例えばゲームプレイや動画編集、大量のデータ処理などを行うと、電源ユニットの発熱量が増加します。このタイミングでファンが回り始めることが多いです。高負荷時には電力供給が安定するようにファンが全力で冷却を行います。これにより、内部の温度が適正に保たれる仕組みです。
4. 手動制御が可能なモデルも存在
一部のハイエンド電源ユニットでは、BIOS設定や専用ソフトウェアを使用してファンの回転を手動で制御できるモデルもあります。温度に依存せず、常時回転するように設定したり、逆に完全に停止するようにカスタマイズできるのです。この機能を活用することで、静音性や冷却性能を最適化できます。
5. ファンが回らない場合の確認ポイント
通常の使用状況でファンが回らない場合は、温度が上がっていないか、電源ユニットが正しく動作していない可能性があります。特に静音モードを搭載している場合、気温が低い季節や軽作業時にはファンが回らないこともあります。逆に、高負荷時にも回らない場合は内部の故障が考えられるため、点検が必要です。
電源ユニットのファンがいつ回るのかは、製品の設計仕様と使用環境に大きく依存します。自分のPCの使用状況に合わせて確認することで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
電源ユニットのファンが回らない時の交換目安

- 電源ユニットが壊れる前兆を知ろう
- 電源ユニットの寿命は何年くらい?
- 電源ユニットのケーブルは使い回しできる?
- おすすめの電源ユニット一覧
電源ユニットが壊れる前兆を知ろう
電源ユニットの故障は突然発生するように思われがちですが、実は壊れる前にいくつかの前兆があります。これらのサインを見逃さずに対処することで、大きなトラブルを回避できる場合があります。ここでは、代表的な前兆について解説します。
1. 電源が不安定になる
電源を入れてもPCが起動しなかったり、途中で突然シャットダウンする場合は、電源ユニットが劣化している可能性があります。特に、電源ボタンを何度も押さないと起動しない場合や、使っている最中に電源が落ちる場合は、内部コンデンサの劣化が疑われます。このような症状が現れた場合、放置せずに早めの点検が必要です。
2. 異音が発生する
電源ユニットやその内部のファンから「カリカリ」「バチバチ」といった異音が聞こえる場合も要注意です。ファンの軸受けの摩耗やモーターの故障、コンデンサの破損によって音が発生している可能性があります。また、電気的なノイズが聞こえる場合は、基盤の劣化や通電不良が原因であることが多いです。これらの異音が長期間続くと、最終的に動作しなくなる恐れがあります。
3. 過剰な発熱
電源ユニットが通常以上に熱を持つ場合も、故障の前兆です。特に、触って熱いと感じる場合や、PCケース内が異常に高温になる場合は冷却機能が低下している可能性があります。内部のファンが動いていない、ほこりが詰まっているなどの原因も考えられますが、内部回路の劣化で発熱が増している場合もあるため注意が必要です。
4. USB機器の不調
電源ユニットが劣化すると、PCに接続しているUSB機器が正常に動作しなくなることがあります。例えば、外付けHDDが認識されなかったり、キーボードやマウスが一時的に反応しない場合があります。これは、電源の供給が不安定になっているために発生する症状です。
5. ブルースクリーンやフリーズの発生
Windows PCでは、電源ユニットが不安定になるとブルースクリーン(BSoD)が発生する場合があります。また、高負荷時にPCが突然フリーズする場合も、電力供給が途絶えたことが原因です。こうした症状が頻発する場合、電源ユニットの交換を検討したほうが良いでしょう。
電源ユニットの故障はPC全体の安定性に直結する問題です。少しでも異常を感じた場合は、早めの確認とメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
電源ユニットの寿命は何年くらい?

電源ユニットの寿命は使用環境や品質によって異なりますが、一般的には「3年から5年」が目安とされています。しかし、この目安はあくまで平均的なものであり、使い方やメンテナンス次第ではさらに短くなる場合もあれば、長持ちすることもあります。ここでは、寿命に影響を与える要因について詳しく解説します。
1. 使用環境と温度管理
電源ユニットは温度に非常に敏感なパーツです。特に内部のコンデンサは高温に弱く、長時間高温の環境で使用すると寿命が縮まります。PCケースのエアフローが悪かったり、夏場に空調のない部屋で長時間動作させる場合は、温度が上昇し、劣化が早まります。定期的な清掃と適切な温度管理が、寿命を延ばすポイントです。
2. 負荷のかかる使用
高性能なグラフィックボードや複数のハードディスクを使用している場合、電源ユニットにかかる負荷も大きくなります。消費電力が増えると、その分内部の回路に負荷がかかり、コンデンサの劣化が進行します。特に、容量の小さい電源ユニットを使っている場合、常に高負荷状態になるため寿命が短くなりがちです。
3. メンテナンスの有無
定期的な清掃を行っているかどうかも寿命に大きく影響します。ほこりが内部に溜まることで冷却効果が失われ、熱がこもりやすくなります。エアダスターを使って数ヶ月に一度、電源ユニット内部の掃除を行うことで、過熱を防ぎ寿命を延ばすことが可能です。
電源ユニットのケーブルは使い回しできる?
電源ユニットの交換時に、古いユニットのケーブルをそのまま使いたいと考える方も多いでしょう。しかし、電源ユニットのケーブルは単純に「使い回しができる」とは言い切れません。ここでは、ケーブルの使い回しに関するリスクと確認ポイントについて解説します。
1. メーカーやモデルごとの互換性
電源ユニットのケーブルはメーカーやモデルごとにピン配置が異なる場合があります。外見が同じ6ピンや8ピンのコネクタでも、内部の電圧配置が異なることがあるため、間違った接続をすると電力が誤った部分に流れ、マザーボードやグラフィックボードが破損する危険があります。特にプラグイン式の電源ユニットでは、この問題が顕著です。見た目が合うからといって、安易な流用は避けましょう。
2. モジュラーケーブルの危険性
モジュラータイプの電源ユニットは、必要なケーブルだけを接続できる便利な仕様ですが、このモジュラーケーブルも使い回しには注意が必要です。同じメーカーであっても、モデルが異なれば内部配線が異なる場合があります。例えば、Corsairの異なるシリーズではプラグの形状が同じでも、電圧が違うため、接続した瞬間に過電流が流れてパーツが破損することがあります。
3. 純正ケーブルの使用推奨
安全に使用するためには、購入時に付属していた純正のケーブルを使うことが最も確実です。もしケーブルを紛失してしまった場合は、メーカーから純正の交換ケーブルを取り寄せるのがベストな方法です。互換品や中古のケーブルは、内部の配線仕様が異なる場合が多く、誤って使用するとPC全体に深刻なダメージを与えることがあります。
電源ユニットのケーブルは、互換性が完全に保証されていない限り、使い回しは避けたほうが無難です。トラブルを防ぐためにも、必ず純正品の使用を心がけましょう。
おすすめの電源ユニット一覧
電源ユニットはPCの安定動作に直結する重要なパーツです。品質の良い電源を選ぶことで、長期間の安定動作と安全性が確保できます。ここでは、用途や予算に合わせたおすすめの電源ユニットをいくつか紹介します。
1. Corsair RM850e ATX 3.0
Corsairの定番モデルで、80PLUS GOLD認証を取得しており、変換効率が高く電力消費を抑えます。また、最新のATX 3.0規格に対応しているため、次世代GPUにも安心して利用できます。セミファンレス機能も搭載されており、低負荷時はファンが停止する静音設計です。高性能なゲーミングPCにも最適です。
おすすめポイント:
- 80PLUS GOLD認証で省エネ
- セミファンレスで静音性抜群
- 最新GPU対応のATX 3.0規格
2. Seasonic FOCUS-GM-750S
老舗メーカーSeasonicの人気モデルです。750Wの高出力を持ちながら、80PLUS GOLD認証により高い電力効率を誇ります。セミモジュラー設計で必要なケーブルだけを接続でき、ケース内の配線もスッキリします。コンパクトなサイズで、ミドルタワーのケースにも取り付けやすいのも魅力です。
おすすめポイント:
- セミモジュラー設計で配線が簡単
- 高品質な日本製コンデンサ採用
- 10年保証で長期間安心
3. MSI MAG A750GL PCIE5
MSI製の最新電源ユニットで、ATX 3.0とPCIe 5.0に対応しています。最新のRTX 4000シリーズのGPUにも対応できるよう設計されており、12VHPWRケーブルを標準搭載しています。高負荷時にも安定した電力供給が可能で、ゲーミングPCに特におすすめです。
おすすめポイント:
- PCIe 5.0対応で最新GPUも安心
- 強力な電力供給で高負荷作業も安定
- 静音設計の大型ファンを搭載
4. Thermaltake TOUGHPOWER GF1 GOLD 1000W
Thermaltakeのハイエンドモデルで、1000Wの大出力を誇ります。80PLUS GOLD認証の高効率設計に加え、フルモジュラー構造で配線が整理しやすいです。2枚以上のグラフィックボードを使うハイパフォーマンスな構成でも余裕を持って動作します。また、RGB機能を搭載したモデルもあり、外観にもこだわりたいユーザー向けです。
おすすめポイント:
- 1000Wの大出力で高負荷にも対応
- フルモジュラー構造で配線が楽
- RGB機能でカスタマイズ性が高い
5. 玄人志向 KRPW-GA850W/90+
コストパフォーマンスに優れた玄人志向の電源ユニットです。80PLUS GOLD認証を取得しており、価格に対して非常に高性能です。日本製コンデンサを採用しているため、耐久性も申し分ありません。フルプラグイン式なので、不要なケーブルを省けてエアフローも確保しやすいです。
おすすめポイント:
- 低価格で高品質な電源ユニット
- 日本製コンデンサで耐久性抜群
- フルプラグインで配線の自由度が高い
電源ユニットはPCの安定性を大きく左右する重要なパーツです。用途や予算に合わせて最適なモデルを選ぶことで、長く安定した動作が期待できます。選ぶ際は、必要な電力容量と対応規格をしっかり確認することが重要です。
電源ユニットのファンが回らない原因と対策のまとめ
今回の記事の内容をまとめます。
- 電源ケーブルの接続不良がファン停止の原因となる
- 内部ケーブルの緩みや断線もファンが回らない要因となる
- ほこりの蓄積がファンの回転を妨げる場合がある
- ハイブリッドモードで低温時にファンが回らない設計もある
- ファン自体の故障が発生することもある
- BIOS設定は基本的に電源ユニットのファン動作に影響しない
- 電源供給不足がファンの一瞬停止を引き起こす
- マザーボードの不具合でファンが動かない場合もある
- 静電気の蓄積が原因でファンが回らないことがある
- 高負荷作業時や内部温度が上がったときにファンは回る
- 電源ユニットの寿命は3~5年が目安とされている
- 異音や過剰な発熱は故障の前兆である
- モジュラーケーブルの使い回しは互換性がないと危険
- ファンの交換時は互換性のあるものを選ぶ必要がある
- メンテナンスを行うことでファンの寿命が延びる