こんにちは。PCギアナビ、管理人の「ギアナビ」です。
最近のPCパーツは価格が上がっているので、少しでもコストを抑えたいと考えるのは当然のことです。特にM.2 SSDを購入した際、わざわざ専用の冷却パーツを買うのはもったいないと感じて、「M.2 SSDのヒートシンクを代用できないか」と考えたり、「家にあるもので自作して安く済ませたい」と思ったりすることはありませんか?100均で売っているアルミ製品や、身近な素材で冷却効果が得られるなら試してみたいですよね。しかし、安易な代用は大切なパーツを壊す原因にもなりかねません。
この記事では、代用アイデアのリスクや、ノートパソコンでの注意点、そして本当に安全な選択肢について解説します。
- 100均素材や家にあるものでの代用が持つ具体的なリスクを理解できる
- M.2 SSDの世代や使用環境によって冷却が必要かどうかの判断基準がわかる
- 自作や代用を行う場合の正しい取り付け方と注意すべきポイントを学べる
- リスクを冒して代用するよりも安価な専用品を選ぶべき理由に納得できる
M.2 SSDヒートシンクの代用はリスクが高い

「たかが金属の板を貼るだけでしょ?」と思われがちですが、精密機器であるSSDにおいて、適当な代用品を使うことは大きなギャンブルです。ここでは、なぜ代用が推奨されないのか、その根本的な理由と技術的な背景について解説します。
そもそも冷却対策は必要か
まず根本的な疑問として、「そもそもヒートシンクは本当に必要なのか」という点から整理しましょう。これは使用しているM.2 SSDの世代(規格)によって答えが大きく異なります。
古い規格であるSATA接続やPCIe Gen3(Gen3.0)のSSDであれば、通常の使用において発熱はそこまで深刻ではありません。ケース内の空気の流れ(エアフロー)がしっかりしていれば、ヒートシンクなしでも問題なく動作することが多いです。
しかし、現在主流となっているPCIe Gen4(Gen4.0)や最新のGen5(Gen5.0)となると話は別です。これらは転送速度が爆発的に向上した代償として、コントローラー部分が非常に高温になります。高負荷時には数秒で80℃を超えることもあり、こうなると「サーマルスロットリング」という安全装置が働いて速度がガクンと落ちてしまいます。
Gen4以上の高速SSDを使うなら、冷却対策は「オプション」ではなく「必須」と考えた方が安全です。
専用ヒートシンクの冷却効果とは

市販されている専用のヒートシンクは、単なる金属の塊ではありません。あれらは「いかに効率よく熱を空気中に逃がすか」計算して設計されています。
多くの製品はアルミニウム製で、表面積を増やすためにフィン(ひだ)状の加工が施されています。この「表面積」こそが冷却のカギです。平らな板を貼るだけよりも、デコボコしていた方が空気に触れる面積が増え、熱交換がスムーズに行われるからです。
また、専用品には必ずと言っていいほど「サーマルパッド(熱伝導シート)」が付属しています。SSDのチップ表面には微細な凹凸があり、ただ金属を置くだけでは隙間ができて熱が伝わりません。専用品はこのパッドのおかげでチップとヒートシンクを密着させ、効率的に熱を吸い上げることができるのです。
M.2 SSDヒートシンクはマザーボード付属で済む?
もし、お使いのマザーボードにM.2スロット用のヒートシンクカバーが最初からついているなら、わざわざ代用品を探す必要はありません。マザーボード付属のヒートシンクを使うのがベストな選択です。
最近のミドルレンジ以上のマザーボードには、デザイン性に優れた大型のヒートシンクが標準装備されていることが多いです。これらはマザーボードの設計に合わせて作られており、サイズもぴったりで、冷却性能も市販のエントリーモデルより高い場合がほとんどです。
「付属のヒートシンクじゃ冷えないんじゃないか?」と心配する方もいますが、よほどの超ハイエンドSSDでベンチマークを回し続けない限り、十分な性能を発揮してくれます。まずはこれを使ってみて、それでも温度が高い場合のみ別の対策を考えましょう。
100均などの素材で代用する危険性
ネット上では「100均のアルミテープ」や「10円玉」を使った冷却アイデアを見かけることがありますが、私はこれらを強く止めます。その理由は明確で、「ショート(短絡)」のリスクが高すぎるからです。
SSDの基板上には微細な電子部品がむき出しで並んでいます。そこに、固定が不安定な金属(10円玉など)を置いたり、剥がれる可能性のあるアルミテープを貼ったりするのは危険極まりない行為です。もし振動で金属がズレて基板の端子に触れてしまえば、一瞬でSSDがショートし、中のデータごと壊れてしまうでしょう。
数千円をケチった結果、大切なデータを失うリスクを考えると、100均素材での代用は割に合いません。
ノートパソコンはスペースが課題
デスクトップPCならまだ工夫の余地がありますが、ノートパソコンでの代用はさらに難易度が上がります。ノートPC内部のM.2スロット周辺には、高さ数ミリ程度の隙間しかありません。
ここに自作の金属板などを無理やり挟み込むと、裏蓋が閉まらなくなったり、逆に圧力がかかりすぎてSSDの基板が曲がってしまったりする恐れがあります。また、固定方法も難しく、テープなどで適当に止めると熱で粘着剤が溶けて、内部でベタベタになるトラブルもよく聞きます。
ノートPCの場合は、厚みを厳密に管理された専用の薄型ヒートシンクか、筐体に熱を逃がすためのサーマルパッドを使用するのが唯一の現実的な解と言えるでしょう。
M.2 SSDヒートシンクの代用より専用品が安全

リスクを理解した上で、それでも「どうしても手持ちの材料でなんとかしたい」という方や、「構造を理解するためにやってみたい」というチャレンジャーな方のために、比較的安全に実行するためのポイントと、結局は専用品がいかにお得かをお話しします。
M.2 SSDヒートシンクを自作する方法
もし自作でヒートシンクを作るなら、ホームセンターなどで売っている「アルミニウムの平板」や「銅板」を加工するのが一般的です。銅の方が熱伝導率は高いですが、アルミの方が加工しやすく放熱性(空気への熱放出)に優れています。
手順としては、SSDのサイズ(一般的なType 2280なら22mm×80mm)に合わせて金属板を金ノコ等でカットします。切り口で怪我をしないよう、ヤスリがけも必須です。ただ、金属板を買ってきて工具で加工する手間と時間を考えると、正直なところ数百円の専用品を買った方が安上がりなことが多いのが現実です。
冷却効率を高める正しい付け方

自作ヒートシンクでも専用品でも、取り付け方一つで効果は天と地ほど変わります。最も重要なのは「サーマルパッド(熱伝導シート)を必ず挟むこと」です。
金属板をコントローラーチップやメモリチップに直に乗せても、接触面は点と点にしかならず、熱はうまく移動しません。柔らかいサーマルパッドが間に入ることで、凹凸を埋めて熱の通り道を作ってくれます。
| 固定方法 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 輪ゴム | 絶対NG | 熱で劣化し、溶けて切れる可能性が高い。 |
| セロハンテープ | 絶対NG | 熱に弱く、剥がれたりベタついたりする。 |
| 耐熱結束バンド | 推奨 | 熱に強く、確実に固定できる。締めすぎに注意。 |
| 耐熱ポリイミドテープ | 推奨 | 電子工作用の耐熱テープなら安心。 |
狭い隙間にも入る薄型タイプ
ノートPCや、大型CPUクーラーと干渉してしまう場所には、「薄型」のヒートシンクが必要です。代用する場合、0.5mm〜1mm厚の銅板などが候補になりますが、絶縁対策(ショート防止)が難しいのが難点です。
最近では、薄い金属板に絶縁コーティングを施したものや、グラフェン素材を使った超薄型の放熱シートも販売されています。これらは厚さが数ミリしか増えないため、スペースのない環境でも導入可能です。無理に分厚い金属を押し込むよりも、こうした薄型素材を活用する方が基板へのダメージを防げます。
安くて冷えるおすすめモデル
ここまで代用の話をしてきましたが、私の結論としては「Amazonなどで安価な専用品を買うのが一番」です。自作のために金属板やサーマルパッドを個別に揃えると、意外と千円以上かかってしまうことが多いですが、専用品ならセットで数百円〜千円程度で購入できます。
具体的に、私が「とりあえずこれを買っておけば間違いない」とおすすめできる高コスパモデルをいくつか挙げますね。
コスパ最強の定番:MHQJRH M.2 2280 SSD ヒートシンク
Amazonでベストセラー常連の製品です。千円でお釣りが来る価格帯(時期によりますが)でありながら、アルミ製のしっかりしたヒートシンクに、サーマルパッド、さらにクリーニングキットやドライバーまで付属しています。「安くて、冷えて、全部入り」という、代用を考えるのが馬鹿らしくなるほどの圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
ブランドの信頼性と冷却力:Thermalright TR-M.2-2280
ハイエンドCPUクーラーで有名な「Thermalright(サーマルライト)」の製品です。有名メーカー製ですが価格は千円台前半と手頃で、独自の多層デザインにより放熱効率が非常に高いのが特徴です。見た目もスタイリッシュなので、ガラスパネルのPCケースを使う場合にも映えます。
国内メーカーの安心感と薄さ:アイネックス (AINEX) HM-21
日本のPCパーツ周辺機器メーカー、アイネックスの製品です。非常にシンプルなアルミ製ヒートシンクですが、高さが低く抑えられているため、大型のCPUクーラーの下などスペースが狭い場所でも干渉しにくいのが強みです。数百円程度で購入できるため、「まずは手軽に冷やしたい」という方に最適です。
これらの製品は、表面積を稼ぐフィン加工がされていたり、適切な固定具がついていたりするため、素人が自作した平板ヒートシンクよりも冷却性能は圧倒的に高いです。専用品は「安くて、安全で、冷える」という三拍子が揃っています。
まとめ:M.2 SSDヒートシンクは代用せず購入を
今回はM.2 SSDヒートシンクの代用についてをテーマに、リスクや自作方法について解説してきました。結論として、100均素材などでの安易な代用は、ショートや脱落による故障リスクが高すぎるため推奨できません。
PCパーツの中でもSSDはデータを保存する心臓部です。数百円から千円程度の出費を惜しんで、大切なデータを危険に晒すのは得策ではありません。もし手元に適当な材料があったとしても、長期的な安定性と安心感を買うつもりで、ぜひ専用のヒートシンクを選んであげてください。それが結果的に、あなたのPCライフを守る一番の近道になります。
※本記事の情報は一般的な目安です。パーツの改造や規格外の使用はメーカー保証の対象外となる場合があります。最終的な実施判断はご自身の責任で行ってください。

