こんにちは。PCギアナビ、管理人の「ギアナビ」です。
パソコンを使っていると、グラフィックボードの交換や不調の原因調査で、今使っている電源ユニットのワット数や容量を知りたくなる場面があります。しかし、Windowsの設定画面を開いてもCPUやメモリのように情報は出てこず、どうやって確認すればいいのか戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、電源ユニットの仕様を確認するには、物理的にラベルを見る方法や、計算サイトを使って推測する方法など、いくつかのアプローチが存在します。この記事では、デスクトップやノートPCにおける正確な確認方法から、ソフトやコマンドでどこまで分かるのかといった疑問まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
- デスクトップPCの電源ユニットに貼られたラベルの正しい読み方
- Windows上のソフトやコマンドで電源容量が表示されない理由
- ノートPCのACアダプターやバッテリー容量を確認する手順
- システム構成から必要な電力を算出する計算サイトの活用法
電源ユニットのワット数確認を物理的に行う手順

結論から申し上げますと、現在搭載されている電源ユニットのワット数を100%確実に知る方法は、PCケースを開けて電源ユニット本体に貼られている「銘板(ラベル)」を目視することです。少し手間に感じるかもしれませんが、これが最も間違いのない「正解」を確認する手段となります。
確実な電源ユニットのワット数確認方法を見る
デスクトップPCの場合、電源ユニットの側面か上面に、スペックが詳しく書かれたシールが必ず貼ってあります。これを見るために、まずはPCのサイドパネルを開ける必要があります。
【注意】作業前の準備
PCケースを開ける際は、必ずパソコンの電源を完全に切り、コンセントから電源ケーブルを抜いて、数分待ってから作業を行ってください。また、静電気によるパーツ破損を防ぐため、作業前に金属製の家具などに触れて体の静電気を逃がしておきましょう。
パネルを開けると、電源ユニット(通常はケースの背面下部か上部にあります)が見えます。ラベルには「650W」「750W」といった総出力(Total Power)が大きく書かれていますが、実はここを見るだけでは不十分なことがあります。
見るべきポイントは「+12V」の数値
現代の高性能なCPUやグラフィックボードは、主に「+12V」という回路から電力を得ています。そのため、総ワット数だけでなく、ラベル内の表にある「+12V」の下に書かれたアンペア(A)数やワット数(W)を確認してください。ここが実際のPCパーツを動かすための実質的な能力を表しています。
もし、ケースを開けてもラベルが裏側にあって見えない場合は、無理に電源ユニットを取り外そうとせず、購入時のスペック表や納品書を探してみるのが安全です。電源ユニットが劣化していると、容量が足りていても不具合が起きることがあります。そのような症状については、以下の記事も参考にしてみてください。
PCの消費電力確認はWindows11でできる?
「ケースを開けるのは面倒だから、Windowsの画面上でサクッと確認できないの?」と思う方は非常に多いです。私も最初はタスクマネージャーのどこかに書いてあると思っていました。
しかし残念ながら、標準的なWindows 11や10の機能では、電源ユニットの定格ワット数(最大容量)を確認することはできません。
これは、一般的な電源ユニットがマザーボードに対して単純に電気を送るだけの装置であり、USB機器やSSDのように「私はこういうスペックの製品ですよ」というデジタルデータをPC側に送信する機能を持っていないためです。OS側から見ると、電源ユニットは「存在して当たり前のインフラ」すぎて、逆に認識できない状態なんですね。
例外:デジタル電源の場合
一部のハイエンドな電源ユニット(Corsairの「iシリーズ」など)には、USBケーブルでマザーボードと接続し、専用ソフトを使ってリアルタイムで消費電力や容量を監視できる「デジタル電源」という製品もあります。これらを使用している場合に限り、Windows上で正確なワット数を確認可能です。
スペックを調べるツールやソフトの限界を知る

「HWiNFO」や「HWMonitor」といった、PCのハードウェア情報を詳しく表示してくれる便利なフリーソフトがあります。これらを使えば分かるのでは?と期待されることも多いのですが、ここにも限界があります。
これらのソフトで表示されるのは、あくまで「CPUやGPUが今、どれくらいの電力を使っているか」という現在の消費電力の推定値や、マザーボード上のセンサーが読み取った電圧の値だけです。
「この電源ユニットは最大600Wまで出せます」という「容量(定格出力)」の情報は表示されません。そのため、ソフト上で「消費電力が300W」と表示されていても、搭載されている電源が400Wなのか1000Wなのかまでは判別できないのです。コマンドプロンプトで wmic コマンドを打っても、多くの自作PCやBTOパソコンでは情報が出てこないのが現実です。
ノートPCのアダプターから容量を特定する
ノートパソコンの場合は事情が少し異なり、確認はもっと簡単です。電源供給源は「ACアダプター」と「内蔵バッテリー」の2つになります。
まず、ACアダプターの「レンガ」のような四角い部分を見てみてください。裏面の細かい文字の中に「OUTPUT」という表記があるはずです。

ACアダプターの計算式
表記例:15V ⎓ 3A
計算:15(V) × 3(A) = 45W
このように、ボルトとアンペアを掛け算することで、そのアダプターが供給できる最大ワット数が分かります。
また、内蔵バッテリーの状態については、Windowsの標準機能で詳細なレポートを出力できます。コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力してみてください。
powercfg /batteryreport
これで生成されたレポートファイルを開くと、バッテリーの設計容量(DESIGN CAPACITY)などが確認できます。ノートPCのパワー不足を感じる場合は、アダプターのワット数が足りているか、バッテリーが劣化していないかを確認するのが第一歩です。
電源ユニットのワット数確認と容量計算の応用

今使っている電源の容量が分かったら、次は「その容量で足りているのか?」あるいは「次に買うならどれくらい必要か?」を知りたくなりますよね。ここでは物理的な確認から一歩進んで、理論値や実測値を使ったアプローチを紹介します。
精度の高い電源計算サイトで必要量を出す
PCケースを開けられない、あるいはBTOパソコンの詳細な仕様書をなくしてしまった場合、「自分のPCパーツ構成なら、理論上これくらいの電源が入っているはず(あるいは必要である)」という逆算のアプローチが有効です。
そんな時に役立つのが「電源容量計算機(PSU Calculator)」と呼ばれるWebサイトです。
- OuterVision Power Supply Calculator: 非常に詳細な設定が可能で、海外でも定番のサイトです。
- ドスパラ 電源容量計算: 日本語でパーツを選べるので、初心者の方にも使いやすいです。
これらのサイトで、CPUの型番(例:Core i7-13700K)やグラフィックボード(例:RTX 4070)、ストレージの数などを選択していくと、システム全体での推奨電源容量を算出してくれます。現在搭載されている電源がこの推奨値を下回っていると、動作不安定の原因になります。
構成に合うPC電源のワット数おすすめの選び方
計算サイトで出た数値はあくまで「最低限必要なライン」に近いことが多いです。実際に電源ユニットを選ぶ際や、今の電源で大丈夫か判断する際は、少し余裕を持たせるのがセオリーです。
一般的には、計算された最大消費電力の1.5倍から2倍程度の容量を持つ電源ユニットが推奨されます。これは、電源ユニットが最も効率よく動作するのが、負荷率50%前後の時だからです。
将来のアップグレードも考慮しよう
ギリギリの容量だと、将来もっと高性能なグラフィックボードに交換したいと思った時に、電源ごと買い替えになってしまいます。少し大きめの容量を選んでおくことは、長期的なコストパフォーマンスにもつながります。
容量選びの詳しい考え方や、多すぎることの是非については、以下の記事で詳しく掘り下げていますので、ぜひあわせてご覧ください。
ワットチェッカーで電気代がいくらか測定する
「計算上の数値ではなく、実際にコンセントからどれくらい電気を吸っているのか知りたい!」という方には、物理的な測定機器である「ワットチェッカー」の使用がおすすめです。
コンセントとPCの間に挟むだけで、リアルタイムの消費電力(W)が表示されます。これを使えば、ゲーム中のピーク時にどれくらい電力を使っているかが一目瞭然です。
ただし、ここで注意が必要なのが「変換効率」という概念です。ワットチェッカーで表示される数値(入力電力)と、PCパーツが実際に使っている電力(出力電力)には、電源ユニットの性能に応じた差があります。この差はそのまま「熱」となり、無駄な電気代として消えていきます。また、ワットチェッカーに限らず電源部分に物理的に接触する際は感電しないように十分に注意の上、行ってください。自信がない場合はこういった作業は避けることも必要です。
変換効率の仕組みや、それが電気代にどう響いてくるかについては、こちらの記事で分かりやすく解説しています。
電源ユニットの変換効率とは?PCの寿命と電気代を左右する重要知識
正しい電源ユニットのワット数確認で快適なPCへ

電源ユニットは、CPUやグラフィックボードのように派手な性能差が見えにくいパーツですが、PCの安定動作を支えるまさに「心臓部」です。
今回ご紹介したように、まずは物理的にラベルを確認するのが基本であり、それが難しい場合は計算サイトやワットチェッカーを駆使して状況を把握することが大切です。
もし、「最近PCが勝手に再起動する」「ゲーム中に落ちる」といった症状があり、確認した結果電源容量がギリギリだった場合は、電源ユニットの交換を検討する良いタイミングかもしれません。正しいワット数確認を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、快適なPCライフを送ってくださいね。
