キャプチャーボードは内蔵と外付けどっちがいい？選び方を徹底解説

ゲーム実況や録画のためにキャプチャーボードの購入を検討しているものの、内蔵タイプと外付けタイプのどっちを選べば良いか迷っていませんか？

それぞれのメリットやデメリット、おすすめのモデル、さらには内蔵タイプを取り付ける際のPCの確認方法や取り付け手順、遅延に関わる内蔵パススルー機能の重要性まで、気になる点は多いでしょう。結局のところ、自分の環境や目的に合わせて内蔵と外付けのどっちがいいのか、明確な答えが欲しいと感じている方も少なくないはずです。

この記事では、そんな悩みを解決するために、内蔵型と外付け型キャプチャーボードの違いを徹底的に比較し、あなたの最適な一枚を見つけるためのポイントを分かりやすく解説します。

キャプチャーボードは内蔵か外付けどっち？基本を比較

• 外付けタイプのメリット・デメリット
• 内蔵タイプのメリット・デメリット
• 安定性で選ぶなら内蔵タイプ
• 手軽さと汎用性なら外付けタイプ
• 遅延対策には内蔵パススルーが重要

外付けタイプのメリット・デメリット

外付けキャプチャーボードは、USBケーブルを使ってPCと接続するタイプです。その手軽さから、これからゲーム配信を始める初心者の方に特に人気があります。まずは、外付けタイプのメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。

多くの方が最初に検討するのが、この外付けタイプですね。PCに詳しくなくても始めやすいのが最大の魅力です。

メリット	デメリット
導入が非常に簡単 ノートPCでも使用可能 複数のPCで使い回せる 設置や配線が手軽	内蔵型に比べて動作が不安定な場合がある USBポートの帯域や給電に性能が左右される 本体の発熱が問題になることがある 配線がデスク周りで煩雑になりやすい

最大のメリットは、何と言ってもその手軽さです。PCケースを開ける必要がなく、USBケーブルを挿すだけで準備が完了します。これにより、デスクトップPCはもちろん、ノートPCユーザーでも手軽にゲーム配信環境を構築できます。

一方で、デメリットとしてはUSB接続に起因する安定性の問題が挙げられます。PCのUSBポートの性能や、他のUSB機器との兼ね合いによっては、映像が途切れたりPCが重くなったりすることがあります。また、コンパクトな筐体が多いため、長時間の使用で熱を持ちやすい点も注意が必要です。

USB3.0以上を推奨

外付けキャプチャーボードの性能を最大限に引き出すには、PCにUSB3.0以上のポートが必要です。USB2.0接続のモデルもありますが、高画質な映像を扱う場合は転送速度が速いUSB3.0対応の製品を選びましょう。

内蔵タイプのメリット・デメリット

内蔵キャプチャーボードは、デスクトップPCのマザーボードにある「PCI Express」というスロットに直接取り付けるタイプです。PCパーツの一つとして組み込むため、導入には少し知識が必要ですが、その分多くのメリットを享受できます。

メリット	デメリット
動作が非常に安定している PC内部接続でデータ転送の遅延が極めて少ない PCケース内のエアフローで冷却されやすい デスク周りの配線がスッキリする	デスクトップPCでしか使用できない 取り付けにPCの知識が必要 PCI Expressスロットに空きが必要 外付け型に比べて高価なモデルが多い

内蔵タイプの最大のメリットは、接続の安定性とデータ転送速度です。PCと直接接続するため、USB接続で起こりがちな帯域不足や電力供給の問題とは無縁です。これにより、コマ落ちや遅延の少ない高品質な録画・配信が実現できます。

ただし、導入のハードルは外付けタイプよりも高くなります。まず、デスクトップPCが必須であり、ノートPCでは使用できません。さらに、PCケースを開けてパーツを取り付ける作業が必要になるため、PCの自作やパーツ交換に慣れていない方には難しく感じるかもしれません。

安定性で選ぶなら内蔵タイプ

長時間の配信や、絶対に失敗できない大事な録画など、とにかく安定性を最優先したいのであれば、内蔵タイプが最もおすすめです。

前述の通り、内蔵タイプはPCのマザーボードに直接接続します。これは、データを運ぶための専用道路が用意されているようなもので、USBのように他の機器と帯域を奪い合うことがありません。そのため、PCの性能を最大限に活かした安定したパフォーマンスを期待できます。

内蔵タイプが安定している理由

• PCI Express接続: USBよりも高速で安定したデータ転送が可能。
• 安定した電力供給: PC内部から直接電力が供給されるため、電力不足の心配がない。
• 優れた冷却性能: PCケース内のファンの風（エアフロー）を利用して冷却できるため、熱暴走のリスクが低い。

特に、4Kなどの高解像度で録画する場合や、ゲームをプレイしながら配信ソフトで様々なエフェクトをかけるような高負荷な作業を行う際には、この安定性が大きな違いとなって現れます。

手軽さと汎用性なら外付けタイプ

一方で、「難しい設定は苦手」「まずは気軽に始めてみたい」「複数のPCで使いたい」といった手軽さや汎用性を重視するなら、外付けタイプが最適です。

外付けタイプの最大の魅力は、USBケーブルを挿すだけですぐに使えるシンプルさにあります。PCの知識に自信がない初心者の方でも、迷うことなくセットアップを完了できるでしょう。

また、ノートPCでゲーム配信をしたい場合は、外付けタイプが唯一の選択肢となります。コンパクトなモデルも多いため、友人の家に持って行って一緒に配信したり、イベント会場で使用したりと、場所を選ばずに使えるのも大きなメリットです。

こんな人には外付けタイプがおすすめ

• 初めてキャプチャーボードを購入する人
• ノートPCで配信や録画をしたい人
• 配線を頻繁に変更する可能性がある人
• 複数のPCでキャプチャーボードを共有したい人

遅延対策には内蔵パススルーが重要

キャプチャーボードを選ぶ上で非常に重要な機能が「パススルー」です。これは、ゲーム機からの映像をPCに取り込みつつ、ほぼ遅延なく別のモニターに出力する機能のことです。この機能があることで、プレイヤーは遅延のない画面を見ながら快適にゲームをプレイできます。

ほとんどのキャプチャーボードにはパススルー機能が搭載されていますが、特に内蔵タイプのパススルーは遅延が極めて少ないという特長があります。

PCに映るプレビュー画面には、どうしても映像を取り込む処理による遅延（エンコード遅延）が発生します。しかし、内蔵タイプはPC内部で高速に処理を行うため、このプレビュー画面の遅延自体も外付けタイプより少ない傾向にあります。FPSや格闘ゲームなど、一瞬の操作が勝敗を分けるゲームを快適にプレイしながら配信したい場合は、この遅延の少なさが大きなアドバンテージとなるでしょう。

キャプチャーボードは内蔵か外付けのどっちを選ぶ？

• キャプチャボード内蔵はPCの確認必須
• 内蔵タイプの取り付け方法と注意点
• 結局、内蔵と外付けどっちがいいの？
• おすすめの外付けモデルを紹介
• おすすめの内蔵モデルを紹介
• まとめ：キャプチャーボードは内蔵か外付けどっちか

キャプチャボード内蔵はPCの確認必須

内蔵キャプチャーボードの購入を決める前に、ご自身のデスクトップPCが対応しているかを必ず確認する必要があります。確認を怠ると、せっかく購入したのに取り付けられないという事態になりかねません。チェックすべきポイントは主に以下の3つです。

内蔵キャプチャーボード導入前のPC確認リスト

1. PCI Expressスロットの空き:
   マザーボードに、キャプチャーボードが要求する規格（例: PCIe x1, x4）の空きスロットがあるか確認します。グラフィックボードの下などに隠れていることが多いです。
2. PCケース内の物理的なスペース:
   製品のサイズ（特に長さや高さ）を確認し、PCケース内に物理的に収まるか確認します。他のパーツやケーブルと干渉しないかも重要です。
3. PCのスペック:
   キャプチャーボードの公式サイトに記載されている推奨スペック（CPU、メモリ、グラフィックボードなど）を、ご自身のPCが満たしているか確認しましょう。

特にPCI Expressスロットの確認は重要です。スロットには「x1」「x4」「x16」などのサイズがあり、キャプチャーボード側で指定されたサイズ以上のスロットに接続する必要があります。PCの仕様書やマザーボードの型番を調べて確認しましょう。

内蔵タイプの取り付け方法と注意点

PCの確認が済み、無事に取り付けられることが分かったら、いよいよ取り付け作業です。PC内部のパーツを扱うため、慎重に作業を進めましょう。

基本的な取り付け手順

1. PCの電源を完全にオフにする: シャットダウン後、電源ケーブルをコンセントから抜きます。
2. PCケースを開ける: 側面のパネルを固定しているネジを外し、パネルを取り外します。
3. 身体の静電気を逃がす: PCケースの金属部分に触れ、身体に溜まった静電気を放電します。
4. 取り付けるスロットのブラケットを外す: PCI Expressスロットの背面にある金属のカバー（ブラケット）をネジで外します。
5. キャプチャーボードを挿し込む: スロットの切り欠きとカードの端子を合わせ、カチッと音がするまでしっかりと垂直に挿し込みます。
6. ネジで固定する: 取り外したブラケットのネジを使い、キャプチャーボードをPCケースに固定します。
7. PCケースを閉じる: パネルを元に戻し、電源ケーブルを接続します。
8. ドライバーをインストールする: PCを起動し、メーカーの公式サイトから最新のドライバーをダウンロードしてインストールします。

取り付け時の最重要注意点

PCパーツは静電気に非常に弱いです。作業前には必ず金属に触れて静電気を逃がしてください。不安な方は、静電気防止用の手袋を着用するとより安全です。また、パーツを無理な力で押し込むと破損の原因になるため、慎重に作業しましょう。

おすすめの外付けモデルを紹介

ここでは、手軽に高画質な録画・配信を始めたい方向けに、定番から最新モデルまで、おすすめの外付けキャプチャーボードをいくつか紹介します。

どのモデルも人気が高く、多くの配信者さんが使っています。自分のやりたいことに合わせて選んでみてくださいね。

AVerMedia Live Gamer EXTREME 3 (GC551G2)

4K/30fpsの録画と4K/60fpsのパススルーに対応した定番モデルです。可変リフレッシュレート(VRR)にも対応しており、PS5などの最新ゲーム機でも快適なプレイが可能です。安定した動作と使いやすさで、初心者から中級者まで幅広くおすすめできます。

Elgato Game Capture HD60 X

ストリーマーに絶大な人気を誇るElgato社のエントリーモデルです。こちらも4K/60fps HDR10のパススルーに対応しており、低遅延でのプレイが可能です。専用のソフトウェアも直感的で使いやすく、多くの配信ソフトとの連携もスムーズです。

I-O DATA GV-USB3HDS/E

動画編集ソフト「PowerDirector」が付属しており、コストパフォーマンスに優れたモデルです。PCの電源がオフの状態でもパススルー機能が使えるため、配信しない時でもケーブルを繋ぎ変える手間がありません。手軽に動画編集まで始めたい方におすすめです。

おすすめの内蔵モデルを紹介

最高の安定性とパフォーマンスを求めるデスクトップPCユーザー向けに、おすすめの内蔵キャプチャーボードを紹介します。

AVerMedia LIVE GAMER 4K 2.1 (GC575)

最新のHDMI 2.1に対応したハイエンドモデルです。4K/144fpsという非常に高いリフレッシュレートでのパススルーが可能で、録画も4K/60fpsの滑らかな映像を記録できます。最高の環境でゲーム配信を行いたいプロフェッショナル向けの選択肢です。

Elgato Game Capture 4K60 Pro MK.2

こちらも4K/60fps HDR10の録画に対応した高性能モデルです。複数のアプリへ同時に映像を出力できる「マルチアプリ対応」が特徴で、例えばOBSで配信しながら、別のソフトでクリーンな映像を録画するといった高度な使い方が可能です。

まとめ：キャプチャーボードは内蔵か外付けどっちか

この記事では、キャプチャーボードの内蔵型と外付け型の違いから、選び方のポイント、おすすめモデルまでを解説しました。最後に、記事全体の要点をまとめます。

• キャプチャーボードはゲーム映像をPCに取り込むための機器
• 外付け型はUSBで接続し手軽に導入できる
• 内蔵型はデスクトップPCの内部に取り付け安定性が高い
• 外付けのメリットは手軽さ、ノートPCで使える汎用性
• 外付けのデメリットはUSB接続の不安定さや発熱
• 内蔵のメリットは高い安定性と低遅延
• 内蔵のデメリットは導入のハードルが高いこと
• 安定性を最優先するなら内蔵タイプが最適
• 初心者の入門用やノートPCなら外付けタイプ一択
• パススルー機能は遅延なくゲームをプレイするために必須
• 内蔵タイプを選ぶ前にはPCのPCIeスロットやスペースの確認が必要
• 内蔵タイプの取り付けは静電気に注意して慎重に行う
• 自分のPC環境や配信スタイルに合わせて選ぶことが最も重要
• まずは外付けで始めて、本格的に続けたくなったら内蔵を検討するのも良い
• 最終的には何を重視するかで内蔵と外付けのどちらが良いか決まる

これらの情報を参考に、あなたのゲーム配信・録画環境に最適なキャプチャーボードを見つけてください。