おしゃれな白いPCケースを選んだのに、いつの間にか黄ばんでしまってがっかりした経験はありませんか。清潔感があって魅力的な白いPCケースですが、黄ばみという悩みはつきものです。この記事では、白いPCケースが黄ばんでしまう原因から、PCの汚れに対する黄ばみ取りや漂白の方法まで詳しく解説します。
さらに、PCケースを白にするメリットやデメリットを比較し、PCケースは白黒どっちが良いのか迷っている方の疑問にもお答えします。おしゃれな白いPCケースの選び方や、ゲーミングPCで人気のガレリアのおすすめモデルも紹介するので、ぜひ理想の一台を見つける参考にしてください。
- 白いPCケースが黄ばんでしまう科学的な原因
- 家庭でできる黄ばみの具体的な落とし方と予防策
- 白いPCケースのメリット・デメリットと選び方のポイント
- 人気の白いPCケースやおすすめのBTOモデル
PCケースが白色から黄ばみへ変わる原因

- プラスチック素材と黄ばみの関係性
- 黄ばみの主な原因は紫外線やタバコのヤニ
- PC汚れと黄ばみ取りには漂白が有効
- 黄ばみを防ぐための日頃からの予防策
プラスチック素材と黄ばみの関係性
多くの白いPCケース、特にフロントパネルやトップカバーには、ABS樹脂というプラスチック素材が広く使われています。このABS樹脂は、加工のしやすさや衝撃への強さから非常に便利な素材ですが、実は黄ばみの主な原因にもなっています。
ABS樹脂には「ブタジエンゴム」という成分が含まれており、この成分が酸素や紫外線に触れることで化学変化を起こし、分子構造が変化します。この化学変化こそが、プラスチック内部から黄色く変色してしまう「黄ばみ」の正体です。つまり、表面に汚れが付着しているわけではなく、素材自体が劣化して色が変わってしまっているのです。
そのため、単に洗剤で拭くだけでは、この内部からの黄ばみを落とすことは非常に困難です。この性質を理解することが、適切な黄ばみ対策を行うための第一歩となります。
豆知識:なぜABS樹脂が使われるの?
ABS樹脂は、「アクリロニトリル」「ブタジエン」「スチレン」という3つの成分から作られています。それぞれの成分が持つ「耐薬品性・硬さ」「耐衝撃性」「加工しやすさ・光沢」といった長所を併せ持っているため、PCケースだけでなく、家電製品や自動車のパーツなど、私たちの身の回りの多くの製品で活躍している高機能なプラスチックなのです。
黄ばみの主な原因は紫外線やタバコのヤニ

PCケースの黄ばみを引き起こす具体的な要因は、大きく分けて2つあります。それは「紫外線による化学変化」と「外的要因による汚れの付着」です。
紫外線による化学変化
前述の通り、プラスチックの黄ばみの最大の原因は紫外線です。窓際にPCを置いている場合など、直射日光が当たる環境では、ABS樹脂に含まれる酸化防止剤やブタジエン成分が紫外線エネルギーによって化学分解を起こし、黄ばみが急速に進行します。日光だけでなく、蛍光灯の光にも微量の紫外線が含まれているため、長期間にわたって光に晒されることでも、徐々に黄ばみは発生します。
タバコのヤニによる汚れ
もう一つの大きな原因が、タバコのヤニ(タール)の付着です。喫煙環境でPCを使用していると、ヤニの粒子がPCケースの表面に付着し、茶色や黄色の粘着質な汚れとなります。この汚れは静電気でホコリを吸着しやすく、時間とともに頑固な黄ばみとして定着してしまいます。ヤニによる黄ばみは、プラスチック自体の変色とは異なり表面の汚れであるため、比較的落としやすいという特徴があります。
要注意:黄ばみの複合的な原因
実際には、「紫外線による内部の変色」と「ヤニや手垢などの外部からの汚れ」が複合的に発生しているケースがほとんどです。どちらか一方だけでなく、両方の原因を想定して対策を行うことが重要になります。
PC汚れと黄ばみ取りには漂白が有効
諦めかけていたPCケースの黄ばみですが、原因が化学変化であるならば、逆の化学反応を利用して白さを取り戻すことが可能です。ここで活躍するのが、家庭用の酸素系漂白剤です。ただし、この方法はPCパーツを破損させるリスクも伴います。
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)に含まれる成分が紫外線と反応することで、黄ばみの原因となっている化学結合を分解し、プラスチックを元の白い状態に近づける効果が期待できます。この方法は「Retr0bright(レトロブライト)」とも呼ばれ、古くなったPCやゲーム機をレストアする愛好家の間では有名な手法です。
【重要】作業前の注意点
この方法は、PCケースの材質によっては変質や破損を招く可能性があります。必ず事前にケースの材質を確認し、目立たない箇所で試してから、すべて自己責任において実施してください。
また、作業中は感電やショートを防ぐため、PCの電源を必ず切り、電源ケーブルをコンセントから抜いてください。PC基盤や電子部品に液体や洗剤が絶対に触れないよう、細心の注意を払ってください。故障の直接的な原因となります。
準備するもの
- 酸素系漂白剤(液体タイプ):ワイドハイターEXパワーなどが代表的です。
- 紫外線:直射日光が最も効果的です。UVライトでも代用可能です。
- 容器:パーツが浸せる大きさのトレイやバケツ。
- その他:ゴム手袋、キッチンペーパー、サランラップなど。
黄ばみ取りの手順(取り外せるパーツの場合)
- 黄ばんだPCケースのパネルなど、電子部品が一切付いていないことを確認した上で取り外します。
- パーツが完全に浸かる容器に入れ、酸素系漂白剤を注ぎます。
- 直射日光の当たる場所に数時間から数日間置きます。黄ばみの度合いによって時間は変わります。
- 好みの白さになったら取り出し、水でよく洗い流して完全に乾燥させます。
黄ばみ取りの手順(取り外せない場合)
- 液体が内部に垂れていかないよう、キッチンペーパーに酸素系漂白剤を「染み込ませすぎない」ように注意します。
- 黄ばんだ部分に、液体が垂れないように注意しながらキッチンペーパーを貼り付けます。
- 上からサランラップで覆い、乾燥と液だれを防ぎます。
- そのまま直射日光に当て、定期的に様子を見ながら放置します。
- 白さが戻ったら、水で固く絞った布を使い、漂白剤の成分が残らないよう丁寧に何度も拭き取ります。
その他の作業上の注意点
漂白作業を行う際は、必ず換気の良い場所で、ゴム手袋を着用してください。また、色付きのロゴなどが印刷されている場合、漂白剤によって色落ちしてしまう可能性があります。マスキングテープなどで保護することをおすすめします。
黄ばみを防ぐための日頃からの予防策

一度黄ばんでしまうと元に戻すのは大変です。そのため、購入時から黄ばみを予防する意識を持つことが大切になります。少しの工夫で、白いPCケースの美しさを長持ちさせることができます。
黄ばみ予防の4つのポイント
- 直射日光を避ける:これが最も重要です。PCは窓際を避け、直射日光が当たらない場所に設置しましょう。
- UVカットフィルムやコーティング剤の活用:どうしても窓際に置く場合は、窓にUVカットフィルムを貼るのが効果的です。PCケース用のコーティング剤も販売されています。
- 禁煙環境を保つ:PCを使用する部屋では喫煙を避けるのが理想です。ヤニ汚れを根本から防ぎます。
- こまめな清掃:手垢やホコリも黄ばみの原因になります。定期的に柔らかい布で乾拭きし、汚れを定着させないようにしましょう。
これらの対策を日頃から心がけることで、黄ばみの進行を大幅に遅らせることが可能です。大切なPCを長く綺麗に使うために、ぜひ実践してみてください。
白色PCケースの黄ばみを踏まえた選び方

- 見た目だけじゃない白いPCケースのメリット
- 知っておきたい白いPCケースのデメリット
- 結局PCケースは白黒どっちが良いのか
- 部屋に馴染むおしゃれな白いPCケース
- 人気のPCケース白のおすすめモデル
- ガレリアのおすすめ白いゲーミングPC
見た目だけじゃない白いPCケースのメリット

黄ばみのリスクがありながらも、白いPCケースが人気なのには確かな理由があります。その魅力は、単に見た目が美しいというだけにとどまりません。
- 清潔感と高級感:白は清潔で明るい印象を与え、部屋全体をスッキリと見せてくれます。デザインによっては、黒いケースよりも高級感を演出しやすいです。
- インテリアへの調和:白を基調とした部屋や、ナチュラル、モダンなインテリアに非常によく馴染みます。黒い塊のようなPCケースが持つ圧迫感を軽減し、空間に溶け込みます。
- RGBライティングが映える:PC内部のLEDパーツ(RGBファンなど)の光が白い内壁に反射し、ケース全体が明るく輝きます。黒いケースが光を吸収するのに対し、白は光を拡散させるため、より鮮やかで美しいライティングを楽しめます。
白は膨張色なので、同じサイズの黒いケースよりも少し大きく見える効果もあります。デスク周りに開放感を出したい方にも、白いPCケースはおすすめですよ。
知っておきたい白いPCケースのデメリット
魅力的な白いPCケースですが、購入前に知っておくべきデメリットも存在します。これらを理解した上で選ぶことが、後悔しないためのポイントです。
白いPCケースの主なデメリット
- 経年劣化による黄ばみ:この記事のテーマでもある、最大のデメリットです。素材や環境によりますが、時間とともに黄ばんでしまう可能性は避けられません。
- 黒い傷や汚れが目立つ:ホコリは目立ちにくい反面、何かにぶつけて付いてしまった黒い擦り傷や、手垢などの汚れは黒いケースより目立ちやすいです。
- パーツの選択肢が少ない:PCケースは白くできても、マザーボードやグラフィックボード、電源ユニットといった内部パーツで白いモデルは非常に少ないのが現状です。内部まで真っ白に統一するのは難易度とコストが高いと言えます。
- BTOメーカーでの採用が少ない:完成品のBTOパソコンでは、標準で白いケースを選べるモデルが黒に比べて少ない傾向にあります。カスタマイズで選べることが多いですが、選択肢は限られます。
特に内部パーツの色までこだわりたい方は、自作PCに挑戦するか、パーツのカスタマイズ性が高いBTOメーカーを選ぶ必要があります。
結局PCケースは白黒どっちが良いのか

ここまで白いPCケースのメリット・デメリットを見てきましたが、最終的に白と黒のどちらを選ぶべきか、それぞれの特徴を比較表にまとめてみました。ご自身の好みやPCを置く環境、こだわりたいポイントを照らし合わせてみてください。
比較項目 | ⚪ 白いPCケース | ⚫ 黒いPCケース |
---|---|---|
デザイン性・見た目 | 清潔感があり、明るい。インテリアに馴染みやすい。 | 重厚感があり、シャープ。飽きが来ない定番カラー。 |
メンテナンス性 | ホコリは目立たないが、傷や手垢は目立ちやすい。 | 傷や汚れは目立たないが、ホコリが非常に目立つ。 |
経年劣化 | 黄ばみのリスクがある。 | 色褪せのリスクは少ない。 |
RGBライティング | 光が反射・拡散し、全体が明るく華やかに見える。 | 光を吸収し、パーツ個々のライティングが際立つ。 |
パーツの統一感 | 内部パーツまで白で揃えるのは難しい。 | ほとんどのパーツに黒モデルがあり、統一しやすい。 |
入手性(BTO) | 選択肢がやや少ない傾向。 | ほとんどのモデルで標準採用されており、種類が豊富。 |
結論として、どちらが良いとは一概には言えません。部屋の雰囲気や明るさを重視し、ライティングを楽しみたいなら白、パーツの統一感や武骨な格好良さを求め、傷などを気にせず使いたいなら黒、というように、自分の価値観に合った色を選ぶのが一番です。
部屋に馴染むおしゃれな白いPCケース
近年、PCは単なる作業道具ではなく、インテリアの一部としての側面も強まっています。特に白いPCケースは、そのデザイン性の高さから、デスク周りをおしゃれに演出したいユーザーに人気です。
最近のトレンドとしては、フロントとサイドの間の柱(ピラー)をなくした「ピラーレスデザイン」のPCケースが注目を集めています。まるでショーケースのようにPC内部を隅々まで見せることができ、自慢のパーツやRGBライティングを最大限に楽しむことが可能です。
また、白を基調としつつ、木目調のパネルやシルバーのアクセントを取り入れたモデルも登場しており、ゲーミングPC特有の派手さを抑え、リビングなどに置いても違和感のない、洗練されたデザインが増えています。マウスやキーボード、モニターといった周辺機器も白で統一することで、非常にまとまりのある、おしゃれなデスク環境を構築できます。
人気のPCケース白のおすすめモデル
ここでは、自作PC市場で特に人気が高い、デザインと性能を両立した白いPCケースをいくつか紹介します。
NZXT H5 Flow / H9 Flow
シンプルで洗練されたデザインが人気のNZXT社のPCケースです。「H5 Flow」はコンパクトなミドルタワーで、底面にグラフィックボードを直接冷却するためのファンを搭載しているのが特徴です。「H9 Flow」はピラーレスデザインを採用したモデルで、魅せるPCを組みたいユーザーから絶大な支持を得ています。
Fractal Design Pop Air / North
スウェーデンのメーカーであるFractal Designは、北欧デザインを取り入れたPCケースが魅力です。「Pop Air」はシンプルなデザインと高い冷却性能を両立した人気モデル。「North」はフロントに天然木材のパネルを採用しており、ゲーミングPCとは思えないほどインテリアに溶け込むデザインで話題となりました。
Corsair 4000D Airflow
高い冷却性能と拡張性、メンテナンスのしやすさで定番となっているミドルタワーケースです。フロントパネルの通気性が非常に高く、高性能なパーツをしっかり冷却できます。シンプルながらも飽きのこないデザインで、多くのユーザーに選ばれ続けているベストセラーモデルです。
ガレリアのおすすめ白いゲーミングPC
「パーツ選びが難しい」「組み立てる自信がない」という方には、BTO(受注生産)パソコンがおすすめです。中でも、国内大手であるドスパラのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」から、待望のホワイトモデルが登場しています。
ガレリアのホワイトモデルは、従来のガンメタリック塗装の重厚なイメージを踏襲しつつ、サイドパネルなどを白で統一することで、近未来的でスタイリッシュなデザインに仕上がっています。
GALLERIA XA7C-R47S-W ホワイト
Core i7とGeForce RTX 4070 SUPERを搭載した、人気のミドルハイスペックモデルです。WQHD解像度のゲーミングモニターで、ほとんどのゲームを高画質・高フレームレートで快適にプレイできる性能を持っています。デザイン性とパフォーマンスを両立させたい方に最適な一台と言えるでしょう。
BTOであれば、購入時からプロによって綺麗に組み立てられており、パーツの相性問題や初期不良の心配もありません。手軽に、かつ安心して白いゲーミング環境を手に入れたい方にとって、ガレリアのホワイトモデルは非常に魅力的な選択肢です。
後悔しないPCケース白の黄ばみ対策
今回の記事の内容をまとめます。
- 白いPCケースの黄ばみは見た目の問題
- 主な原因はプラスチック素材の化学変化
- 紫外線とタバコのヤニが黄ばみを促進させる
- 素材内部の変色なので拭くだけでは落ちない
- 黄ばみ取りには酸素系漂白剤と紫外線が有効
- この手法はレトロブライトとも呼ばれる
- 作業時はロゴの色落ちに注意が必要
- 最も重要な予防策は直射日光を避けること
- 白いPCケースは清潔感があり部屋が明るくなる
- 黒いホコリが目立ちにくいメリットもある
- RGBライティングが光の反射でより美しく見える
- デメリットは黄ばみリスクと傷の目立ちやすさ
- 内部パーツまで白で統一するのは難しい
- インテリアとの調和を重視するなら白がおすすめ
- BTOならガレリアのホワイトモデルが選択肢になる