PC電源ユニットのカチカチ音!原因と対策、寿命まで徹底解説

PC電源ユニットのカチカチ音!原因と対策、寿命まで徹底解説 PCパーツ

パソコン作業中に、突然「カチカチ」という異音が聞こえてきて、不安に感じていませんか。特に、音の発生源がPCの心臓部ともいえる電源ユニットからだと、何かの不具合ではないかと心配になりますよね。そのカチカチという音がなぜ鳴るのか、あるいはカタカタやパチパチ、リレー音とは何が違うのか、気になる点は多いでしょう。

この記事では、電源ユニットが壊れる前兆としてどのようなサインがあるのか、そもそも電源ユニットの寿命は何年程度なのか、といった根本的な疑問に丁寧にお答えします。さらに、ご自身でできる具体的なカチカチ音への対策から、万が一の際に交換をおすすめする電源ユニットの選び方まで、網羅的に解説していきます。

記事のポイント
  • 電源からカチカチ音が鳴る原因がわかる
  • 故障の前兆と電源ユニットの寿命を把握できる
  • 自分でできる具体的な対策方法を学べる
  • 電源ユニット交換時の選び方が理解できる

電源ユニットからカチカチ音がする原因と前兆

電源ユニットからカチカチ音がする原因と前兆
  • カチカチ音がなぜ発生するのか解説
  • カタカタ、パチパチ、リレー音との違い
  • 危険信号?電源ユニットが壊れる前兆は?
  • そもそも電源ユニットの寿命は何年?

カチカチ音がなぜ発生するのか解説

カチカチ音がなぜ発生するのか解説

パソコンの電源ユニットから聞こえる「カチカチ」という音。この音には、心配のいらない正常な動作音と、故障のサインである異常音の2つの可能性が考えられます。

まず、正常な動作音として考えられるのが「リレースイッチ」の作動音です。リレーとは、電気回路の切り替えを行うスイッチのことで、パソコンの電源をオン・オフする際に電流をコントロールするために「カチッ」という音を立てて動作します。この場合、音は電源を入れた直後や切った直後に1回だけ鳴るのが特徴で、特に問題はありません。

一方で、パソコンの使用中に連続してカチカチ音が鳴ったり、不規則に鳴ったりする場合は注意が必要です。これは、電源ユニット内部の部品が劣化または故障しているサインかもしれません。特に、電力を安定させる役割を持つ「コンデンサ」や、電圧を変換する「トランス」といった部品が劣化すると、異音を発生させることがあります。

正常な音と異常な音の見分け方

  • 正常な音:電源のオン・オフ時に「カチッ」と1回だけ鳴るリレー音。
  • 異常な音:PC使用中に不規則または連続して鳴る音。故障の可能性が高いです。

もし異常音だと感じた場合は、電源ユニットの内部を目視で確認してみるのも一つの手です。電源を切り、ケーブルを抜いてから数分待った後、ケースを開けてコンデンサに膨らみや液漏れがないかチェックしてみてください。ただし、内部には触れないように注意しましょう。

カタカタ、パチパチ、リレー音との違い

電源ユニットから発生する異音は「カチカチ」だけではありません。音の種類によって、原因となっている箇所や緊急度が異なります。代表的な異音とその原因を理解しておくことで、より的確な対処が可能になります。

以下に、主な異音の種類と考えられる原因をまとめました。

異音の種類考えられる主な原因緊急度
カチカチリレースイッチの正常な動作音、または内部部品(コンデンサ等)の劣化・故障。中〜高
カタカタ・カラカラ冷却ファンの軸ブレ、またはファンにケーブルやホコリが接触している。低〜中
ブーン・ウィーン冷却ファンのモーター部分の経年劣化や、ホコリの詰まりによる回転不良。低〜中
ジー・キーン(コイル鳴き)内部のコイルやトランスが振動して発生する高周波音。必ずしも故障ではありませんが、劣化のサインの場合もあります。
パチパチ・バチッ内部でショート(短絡)が発生している可能性があり、非常に危険な状態です。高(即使用中止)

このように、「カタカタ」という音であればファン周辺の物理的な問題が考えられ、比較的対処しやすいケースが多いです。しかし、「パチパチ」といった電気的な音が聞こえた場合は、火災につながる恐れもあるため、直ちにパソコンの使用を中止し、電源ケーブルをコンセントから抜いてください。

危険信号?電源ユニットが壊れる前兆は?

電源ユニットの故障は、異音だけでなく、パソコン全体の動作に様々な不安定な症状を引き起こします。これは電力供給が正常に行われなくなるためで、他のパーツの故障と見分けるのが難しい場合もありますが、以下のような兆候が見られたら電源ユニットの劣化を疑いましょう。

突然電源が落ちる・勝手に再起動を繰り返す

作業中に何の前触れもなく電源が切れたり、Windowsのロゴ画面が出る前に再起動を繰り返したりする症状は、電力供給が不安定になっている代表的なサインです。

パソコンが起動しないことがある

電源ボタンを押しても全く反応しない、あるいはファンが一瞬だけ回ってすぐ止まってしまうといった症状です。コンデンサの劣化が進んでいると、何度か試すうちに起動できることもありますが、これはかなり危険な状態といえます。

高負荷な作業中にフリーズする

動画編集やオンラインゲームなど、多くの電力を消費する作業を行ったタイミングで決まってフリーズする場合、電源ユニットが必要な電力を供給しきれていない可能性があります。

物理的な異常

ケースの通気口から焦げ臭いニオイがしたり、電源ユニット内部のコンデンサが目に見えて膨らんでいたり液漏れしていたりする場合は、物理的に損傷しています。これは非常に危険な兆候です。

特に注意すべき危険なサイン

焦げ臭いニオイ」や「パチパチという音」がした場合は、電源ユニット内部でショートなどの深刻なトラブルが起きている可能性が極めて高いです。火災や他のパーツへの致命的なダメージを防ぐため、すぐに使用を中止し、電源コードを抜いてください。

そもそも電源ユニットの寿命は何年?

そもそも電源ユニットの寿命は何年?

パソコンのパーツの中でも、電源ユニットは消耗品です。では、いったいどのくらいの期間使用できるのでしょうか。

結論から言うと、電源ユニットの寿命は一般的に2年〜5年が目安とされています。ただし、この年数は製品の品質やパソコンの使用環境、使い方によって大きく変動します。

電源ユニットの寿命を左右する主な要因は、内部にある「電解コンデンサ」という部品の劣化です。このコンデンサは熱に弱く、パソコン内部の温度が高い状態が続くと劣化が早まります。そのため、高性能なグラフィックボードを搭載したゲーミングPCのように、内部が高温になりやすい環境では寿命が短くなる傾向にあります。

一方で、高品質な部品を使用している高価な電源ユニットの中には、メーカーが7年や10年といった長期保証を付けている製品もあります。このような製品は、厳しい品質基準をクリアしたコンデンサなどを使用しているため、一般的な製品よりも長く安定して使用できる可能性が高いです。

保証期間は寿命の目安になる?

メーカーの保証期間は、製品の寿命そのものを保証するものではありません。しかし、保証期間が長い製品ほど、高品質で耐久性の高い部品が使われている傾向にあるため、製品選びの際の一つの重要な指標と考えることができます。

寿命を少しでも延ばすためには、定期的なPC内部の清掃でホコリを取り除き、冷却性能を維持することが重要です。また、PCを使用しない時間はシャットダウンするなど、電源ユニットへの負荷を減らす工夫も効果的でしょう。


電源ユニットのカチカチ音を解消する具体的対策

電源ユニットのカチカチ音を解消する具体的対策
  • すぐに試せるカチカチ音の対策方法
  • 交換におすすめの電源ユニットの選び方
  • カチカチ音が解消されない場合は専門家へ相談

すぐに試せるカチカチ音の対策方法

すぐに試せるカチカチ音の対策方法

電源ユニットから異音が聞こえた際、それが部品の致命的な故障でなければ、ご自身で対処できる場合があります。専門業者に依頼する前に、まずは以下の基本的な対策を試してみましょう。

PC内部の清掃(特にファン周辺)

異音の最も一般的な原因の一つが、冷却ファンに蓄積したホコリです。ホコリがファンに絡みついたり、通気口を塞いだりすることで、冷却効率が低下し、ファンが異常な高速で回転して異音を発生させることがあります。

エアダスターを使って、電源ユニットのファンやケースの通気口に溜まったホコリを吹き飛ばしましょう。これにより、ファンの回転がスムーズになり、異音が解消されることがあります。

清掃時の注意点

作業を行う際は、必ずパソコンをシャットダウンし、電源ケーブルをコンセントから抜いてください。また、感電やショートを防ぐため、電源ユニットの内部に直接手や金属製の工具を入れないようにしましょう。掃除機で直接吸い込むのも静電気でパーツを破損させる恐れがあるため避けるのが賢明です。

ケーブル類の確認と整理

意外と見落としがちなのが、ケース内部のケーブルが冷却ファンに接触しているケースです。「カタカタ」という音の場合は、これが原因である可能性が高いです。ケースを開けて、電源ユニットやCPU、ケースファンの周りにあるケーブルが、ファンの羽に触れていないか確認してください。もし接触している場合は、結束バンドなどでまとめて、ファンから離れた位置に固定しましょう。

PCの放電

パソコンの内部には、不要な電気が溜まってしまうこと(帯電)があります。この帯電が原因で、パーツが誤作動を起こし、異音につながるケースも稀にあります。放電作業は非常に簡単なので、一度試してみる価値はあります。

  1. パソコンを正常にシャットダウンします。
  2. 電源ケーブルやUSB機器など、接続されている全てのケーブルを抜きます。
  3. その状態で5分〜10分ほど放置します。

これだけで内部の不要な電気が放電されます。その後、ケーブルを再接続して起動し、異音が解消されているか確認してください。

交換におすすめの電源ユニットの選び方

清掃やケーブル整理を試しても異音が解消されない場合、電源ユニット自体の交換が必要になります。ご自身で交換に挑戦する際は、正しい製品を選ぶことが非常に重要です。ここでは、失敗しないための3つのポイントをご紹介します。

① 規格(サイズ)を確認する

電源ユニットには「ATX」や「SFX」といった物理的なサイズの規格があります。お使いのPCケースに対応していない規格の製品は、そもそも取り付けることができません。現在使用しているPCケースの仕様を確認し、対応する規格の電源ユニットを選びましょう。多くのデスクトップPCでは、最も一般的なATX規格が採用されています。

② 容量(ワット数)を選ぶ

電源ユニットが供給できる電力の最大量を「ワット(W)」で表します。この容量がPC全体の消費電力に対して不足していると、動作が不安定になったり、高負荷時にシャットダウンしたりする原因になります。CPUやグラフィックボードなどのパーツ構成によって必要なワット数は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 事務作業やネットサーフィンが中心:500W〜650W
  • 最新のオンラインゲームをプレイする:750W〜850W
  • 動画編集や3Dレンダリングを行う:850W〜1000W以上

現在の消費電力よりも少し余裕を持った容量を選ぶと、将来的なパーツのアップグレードにも対応しやすくなります。

③ 変換効率を示す「80 PLUS認証」で選ぶ

80 PLUS認証」とは、電源の変換効率が80%以上であることを示す認証です。変換効率が高いほど、コンセントからの電力を無駄なくPCパーツへの電力に変換できるため、発熱が少なく、静音性も高まり、電気代の節約にもつながります。

認証にはランクがあり、下からStandard、Bronze、Silver、Gold、Platinum、Titaniumの順に効率が高くなります。一般的には、コストと性能のバランスが良い「80 PLUS Bronze」や「80 PLUS Gold」認証の製品が人気です。

WEBライターの視点からアドバイスです!
どの電源ユニットを選べば良いか迷ったら、「80 PLUS Gold認証」で、PCの用途に合ったワット数より少しだけ余裕のある製品を選ぶのがおすすめです。初期費用は少し高くなるかもしれませんが、静音性や安定性、長期的な電気代を考えると、結果的に満足度の高い選択になることが多いですよ。

カチカチ音が解消されない場合は専門家へ相談

カチカチ音が解消されない場合は専門家へ相談

前述の通り、ご自身でできる対策を試しても「カチカチ」という異音が解消されない場合や、電源ユニットの交換作業に少しでも不安を感じる場合は、無理をせずプロのパソコン修理業者に相談するのが最も安全で確実な選択です。

電源ユニットは、パソコン内部で最も高い電圧を扱うパーツの一つです。知識がないまま分解や交換作業を行うと、感電する危険性や、誤った接続で他の高価なパーツ(マザーボードやCPUなど)まで破損させてしまうリスクが伴います。結果的に、修理費用が余計にかさんでしまうケースも少なくありません。

信頼できる修理業者に依頼すれば、専門的な知識と機材で正確に原因を特定し、適切な修理や交換を行ってくれます。多くの業者では、修理前に無料で見積もりを出してくれるため、まずは気軽に相談してみると良いでしょう。

電源ユニットのカチカチ音について総括

今回の記事の内容をまとめます。

  • 電源ユニットからのカチカチ音は正常なリレー音か故障のサイン
  • PC使用中に連続して鳴るカチカチ音は異常の可能性が高い
  • 異音にはカチカチの他にカタカタやパチパチなど種類がある
  • パチパチ音や焦げ臭いニオイは非常に危険なため即使用中止
  • 電源が突然落ちる、再起動を繰り返すのも故障の前兆
  • 電源ユニットの一般的な寿命は2年から5年が目安
  • 製品の品質やPCの使用環境によって寿命は大きく変わる
  • 対策としてまず試すべきはホコリの清掃とケーブルの確認
  • 清掃時は必ず電源を切りケーブルを抜いてから作業する
  • 改善しない場合は電源ユニットの交換を検討する
  • 交換時はPCケースに合う規格(サイズ)を選ぶことが必須
  • 必要な容量(ワット数)と変換効率(80 PLUS認証)も重要
  • 作業に不安があれば無理せず専門の修理業者に依頼するのが安全
  • 専門家は正確な原因特定と適切な修理を行ってくれる
  • 多くの修理業者は無料で見積もり相談に応じてくれる
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